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だけど相手は御令嬢。
将来のお相手も決められている。
渡辺家に仕えてるからって、俺はあくまでも平民。
元々が身分違いな上に相手は10個も下の未成年。
成就なんてありえないし、夢も見ちゃいけない。
だから俺はあくまで執事として彼女に接して自制していた。
だけどAが18歳になったとき。
彼女の部屋で、こう尋ねられた。
「渉って彼女いるの?」
「いませんが……」
するといきなり彼女は抱き着いてきた。
「私、ずっと渉のことが好きなの」
「それはどういう意味でおっしゃってるんですか?」
Aがいきなり線を飛び越えようとするから、こっちだって動揺する。
「一人の男の人として渉のことが好きになっちゃったの」
「しかしお嬢様と私は……」
「身分なんて関係ない。渉自身の気持ちを知りたい。渉は私のことどう思ってるの?」
「…………」
俺はとても迷った。
欲望のままに彼女と向き合うか、これまで通り抑えるか。
Aだって勝算なく言ってるわけじゃないことが伝わる。
俺だって本当は、Aが俺を好意的に見ていることは伝わってた。
「渉……」
Aの顔が近づいてくる。
……俺の理性なんてちっぽけなもの。
「…………」
キスで応える。
この瞬間保たれていた秩序が崩れていく。
「好きだよ」
「…………」
「俺もAが好き」
「渉……」
Aをこれでもかってほど抱きしめる。
生涯をかけて守りたいなんて思ってしまった。
溢れた想いはどうしようもなくて、この日を境に身分を超えた関係が始まった―――。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時