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「A」



宏光さんは私の名を呼んで額にキスをする。



不倫関係になって2年。
会ったらいつも身体を重ねるだけじゃなく、ただ2人でいるときだってあるから、宏光さんに必要とされてることが伝わる。



入社3年目から宏光さんの秘書をするようになった。
最初の頃は秘書を人間として扱っていない冷たい態度で、ムカついていたけど、次第にこの人の瞳に輝きがないことに気付いて、色々周りに言われる姿を目の当たりにし、奥様に噛みつかれてるのを目撃してしまい、この人はずっと苦しんでると思ってしまったら、この人を支えたいと惹かれてしまった。



だけど宏光さんは結婚されているし、私にも彼氏がいるしで、この想いは胸に秘めたままにしていた。



そして彼氏と別れたタイミングで、あの出張。
宏光さんに求められた私は何やかんや言いながら応じてしまった。
だってこの人を癒したかったから。



このときから不倫関係が始まった。
最初は身体だけと思っていたから、社長室で告白されたときは嬉しかった。



宏光さんとするといつも気持ち良い。
どこまでも優しくて甘くて溶かされる。
そのときじゃなくても、この人は私に甘さをくれる。



一見普通のカップルなのに、この人の左薬指には指輪があって私にはない。
いくら結婚生活が成り立っていなくても、私たちがどれだけ愛し合っていても、あの紙切れ一枚の法的拘束力は強い。



私も今年で29。
実家からはそろそろなんて暗に言われている。
そんなの関係ないっちゃないんだけど。



宏光さんのことは好き、ずっと一緒にいたい。
だけどこの関係がずっと続くのかと思うと不安が付き纏う。



離婚を求めないのかって?
ああいう人たちの結婚は家と家の結婚、会社と会社の結婚であることを理解している。
宏光さんが何もかも捨てて私の所へ行くことは考えられないし、私もしてほしくなかった。



「どうした?」



宏光さんに優しく訊かれる。
でも私は。



「なんでもないです」



彼にキスをして不安を誤魔化した。



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時

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