* ページ11
・
「ごめんなさい。ちょっと記憶が欠落してるところがあって、みっくんたちのこと覚えてなくて。ずっと俊くんの後ろをくっついてた記憶はあるんですけど」
私はなぜか幼稚園から小学3年生辺りまでの記憶が所々抜けている。
所々なのがよく分からなくて、人間普通全部は覚えていられるわけがないから、大して追求はしていない。
「まあそういうこともあるわな。で、なぜ俺がそれを覚えてるかというと、俺は記憶能力が高いからなんだよ」
「じゃあガヤさんは?」
「俺は聴覚が鋭くて。どんな音も拾っちゃう。調子の良い時は他人の心の声も聞こえちゃう」
「他の奴らは後で教えるわ。ところで、Aと宮っちの能力の違いはあるの?」
「私のはふと聞こえてくるって感じで。喧騒の中で知ってる人の声が分かるのと同じ感じかな。特に困ってたり悩んでたりする人の声はよく聞こえる。でも俊くんとはある程度会話ができる」
「俺は他人の心に入り込んで知りたいことを聞けるって感じかな。Aは聞こえる、俺は聞ける、まあまあ違うよね」
私の母方の一族はそういう能力の人が出る血筋。
ちなみに私の母はなくて、私の妹もないので隔世遺伝だなんて言われた。
父は普通だからね。
「なるほどね。じゃあ事件に話を戻そう」
そうだよね。
まだ事件は解決していない。
金子さんが犯人ではないのは確かだけど、じゃあ真犯人は?となる。
「というかA、手慣れてる感じがするのはなぜ?」
ガヤさんの質問にはこう答えるしかない。
「警察の世話にはなったことないけど、まあ色々あるんです」
俊くんにも言ってないこともあるんです。
人間、社会で生きてたら揉め事に無関係じゃいられないからね。
「じゃあ俺たちも動いていい?」
「どうぞどうぞ」
「俺と俊は今から色々な人に話を訊いてみるから」
俊くんとガヤさんは会議室を出ていく。
みっくんはスマホを取り出した。
「もしもし玉?」
「何?ミツ」
玉ちゃんにかけているようだ。
ネットで調べてもらうのかな。
でも一個人がどこまで調べられるんだろう。
みっくんは事件の概要を説明している。
「じゃあまずは犯人の足取りが調べられるか見てみる。あとは運送会社や被害者周りを調べてみるよ」
「サンキュー」
続いてみっくんは。
「ニカ、今大丈夫か?」
「何、ミツ。事件?」
ニカちゃんにも同じような説明をする。
・
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時