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「じゃあ俺と千賀で現場周辺回ってみるよ」
「頼んだ」
なるほど、こうして動いていってるんだなと学ぶ。
多分皆さんが持たれている特殊能力はプラスアルファに過ぎない。
「ワッターはマジで窓口のみ?」
「基本的にはね。あとあの人がいる限り俺たちは毒殺されないよ」
ワッターはワッターで役割があるんだなと学んだ。
「みっくんは安楽椅子探偵?」
「そうかもな。事件発生後に現場に来るとこんな感じ」
「私は何をすればいいですか?」
「せっかく誰かの心の声を聞けるなら藤ヶ谷と宮っちと一緒に行けば良かったか」
「ひとまずここを出ますね」
そうだ、せっかくならこの能力を生かさなければ。
大会議室のような所に事件関係者は集められているようだった。
開け放たれたドアの前には警官が二人立っている。
中には六人にいらっしゃる。
さっきお会いした金子さんもいる。
あとは自分と同年代っぽい女性や若い女性、ここの重役っぽい男性などか。
俊くんとガヤさんはさっきいたのとは違う小会議室にいるなと閉ざされたドアを見て感じた。
多分取調べってやつだろう。
なぜか昔から俊くんの居場所は分かるから、そこで判断した。
(ったくいつまでここにいなくちゃいけないんだよ。仕事が出来ないんなら帰ってあの子のために色々したいのに)
金子さんの心の声がしたと思ったら彼女が私の前を通り過ぎた。
そしてお手洗いの中に入っていった。
チャンスだと思って私はその後を追った。
そして金子さんが個室から出てくるのを待った。
「……びっくりした。あなた、さっき警察と一緒にいた」
そりゃそうだよねと思いながら私はこれまでの手法を使うことにした。
「私は探偵事務所の者です。矢作と申します」
「探偵……あなたが?」
「私はその助手ですね。さっきあそこで金子さんに質問してきた人の」
「あーあの人の」
私はここで一歩踏み込もうと決意する。
いつもここで緊張する。
だって人の心を読んでしまったわけだから。
「疑われて大変ですよね」
「あー……はい」
「でも私は金子さんが犯人ではないと思ってます」
こう告げれば今まで逸らし気味だった金子さんの目が私の方を向いた。
「なぜそう思うのですか?」
「あなたがあんなことをする人とは思えないからです」
こういうとき、きっぱりと言うことにしている。
悩んでる人が欲しがっているのは肯定だと思ってるから。
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時