＊ ページ45
・
それから3日後、服部さんからみっくんへ連絡が来た。
そして次の日服部さんの事務所を訪ねることにした。
私も同行することになった。
だけど一足遅かったのかもしれない。
何度かドアをノックしたが反応はなくて、みっくんと目を合わせた。
「……どうする？みっくん」
「A、嫌な物見るかもしれないぞ」
「……うん。そのときはそのとき」
「お前は肝据わってんね」
意を決してみっくんはドアを開けた。
答えは目の前に広がっていた。
服部さんはうつ伏せになって倒れていた。
首を切られていて、そこから血が広がっていた。
状況は明らかだった。
「……A、宮田に電話してくれ」
「……うん」
私は深呼吸をしてスマホを取り出し、俊くんに電話する。
みっくんは白手袋をし現場を見ている。
「もしもし、A？」
「俊くん。ガヤさんと一緒に来て。事件が起きた」
「事件？」
「そう。昨日話したよね。みっくんの兄弟子の方の事務所に行くって。で、来たら服部さんが殺されてて」
「分かった。今すぐ行く」
「うん。で、場所は……」
「大丈夫。Aのいる場所は大体分かるから。Aはなるべくじっとしてて」
「分かった」
そうなんだよね、なぜか昔から互いのいる場所が分かるんだよね。
俊くんにはよくいたいたAと言われ、私も俊くんいたと言ったものだ。
「何？宮っちとAはGPSで繋がってるの？」
会話を聞いていたらしいみっくんに訊かれる。
「天然のね」
「どういうこと？」
「互いの場所がなんとなく分かるんだよね、昔から」
「なぜ？」
「それはお互い分かってない」
お互い分かってないから今まで誰にも言ってこなかった。
超常的なものとしか言いようがない。
そして俊くんはガヤさんや警官や鑑識の人たちを連れて現場に来てくれた。
私とみっくんは一旦ガヤさんと俊くんの車に乗り込む。
ガヤさんが現場の指揮を執ってくれて、警察の捜査が終わるまで俊くんと待つ。
「宮っち、ホントにAの場所が分かるんだな」
「なんとなくだよ。Aが大きく動かなきゃ分かる」
「逆も然り」
「なんかすげえな」
こう呟くように言うみっくんは当たり前だが覇気がない。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか？ＰＳ昔（１９９６年頃）、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定（探偵では無いですが。作者：池野恋先生 おしえて菜花）があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (
レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年3月15日 15時
