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期末が終わってクリスマスの時期。
今日2学期が終わった。
「皆俺の家でクリスマスパーティーがあるんだけど来ない？」
そう千ちゃんに誘われて私たちは千ちゃんの御宅にやって来た。
「わお」
千ちゃんの家が裕福なのは知ってたけど家が大きすぎて肩身が狭い。
「初めまして……。一ノ瀬Aと申します」
「Aちゃんね。健永から聞いてるわ」
千ちゃんのお母さんは綺麗でうちの母親と同世代のはずだけどなあと思った。
といってもそんなに顔を見るわけじゃないんだけど。
千賀家のクリスマスパーティーは私たちの他にも色々な人が来ていて賑やかだった。
私みたいな庶民が来て良かったのだろうか。
まあ千ちゃんの厚意に甘えよう。
私たちは会場の一角でシャンメリーを片手に値が張りそうな食べ物を時折食べながら喋ってた。
「ドレス似合うじゃん」
私にこう言ったのはタマだ。
急遽拵えたドレスでかんなと文乃に選んでもらったラベンダー色のドレスだ。
かんなは水色で文乃はピンクゴールドのドレスがよく似合っている。
「ありがとう」
「珍しい。遜らない」
「たまには自己肯定力上げとかないと思って」
「それ宮っちに言われて？」
「そんなところ」
男子陣も元の素材が良いだけに様になっていた。
千ちゃんはグレーのスーツに同系色のチェックが入ったスーツで、ニカは紺でまとまってて、タマは茶色のスーツにレモン色のシャツが洒落ている。
「タマも似合ってるよ」
こう告げるとタマは私の耳元に近づくやいなや。
「クリスマスに会えて良かった」
距離が近くてさすがの私もドギマギした。
＊
パーティーが終わり、千ちゃんの家の人に送り届けてもらって家に帰る。
家の中はガランとしていて真っ暗だった。
さっきまで賑やかな所にいたせいか、その落差に猛烈に寂しさを覚えてしまう。
私は咄嗟にパーティーの格好のまま外に出た。
繁華街に向かおうとしたら。
「はい、ストップ」
駅前で、聞き慣れた通りの良い声がした。
私は立ち止まる。
「……そういえば宮田先生ってこちらにお住まいなんですか？」
「……そういえば教えてなかったね。通勤通学の時間が被らなかったから遭遇することはなかったけど」
先生の姿を見たら心底ホッとしてしまって、涙腺が緩くなってくる。
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2021年7月6日 11時
