Episode2 ページ2
「お腹空いたなぁ〜」
待ち合わせ場所の駅前から離れ、1人フラフラと街を彷徨い歩く。
駅近くのお店はどこもオシャレで、ガラス越しに覗く店内は、幸せそうなカップルで溢れている。
(金曜日の夜だもんな〜。そりゃ多いよな〜)
店内の温かく幸せそうな雰囲気とは裏腹に、ガラスに映る自分はひどい顔をしていた。
自分の顔からもカップルたちからも目を背けるようにして、私はまた歩きはじめる。
知らないうちに、駅から10分ほど歩いた、とある路地に入り込んでいた。
駅前の風景とは打って変わって、そこは昔ながらの大衆的なお店が立ち並び、入口にのれんや赤ちょうちんの下がったお店が多くみられた。
行き交う人々も仕事を終えたサラリーマン風の男性ばかりで、私はようやく心が落ち着くのを感じた。
迷った挙句、私は「なかむら」と書かれたのれんの下がった店に足を踏み入れた。
中はさほど広くなく、椅子が6脚置かれたL字型のカウンターと、4人掛けテーブルが2つ、そして奥には座敷があって6人は座れそうなテーブルが2つある。
私が入った時には4人掛けテーブル1つ、座敷のテーブルが1つ埋まっており、さらにカウンターには若い男性が2人座っていた。
「いらっしゃい」
「あの〜。1人なんですけど、いいですか?」
「もちろんよ。どうぞ」
カウンターの中にいるご夫婦らしき2人に声をかけると、女性の方がにこやかにそう答えてくれた。
カウンターはL字の縦の線にあたるところに2席、横の線にあたるところに4席座れるようになっている。
一番右側の2席に男性が2人座っていたので、私はひと席開け、4席並ぶ中で一番左側の席に腰を下ろした。
「はい。いらっしゃい」
腰を下ろすとすぐに先ほどの女性がおしぼりとお通しを持って現れた。
「ありがとうございます」
「飲み物は?何にしましょう?」
「じゃあ梅酒のロックをください」
「はいよ」
景気よく答えながら彼女はカウンターへと戻る。
途中、隣の席の男性が「あ!春子さん!俺、ししゃも追加で!」と彼女に声をかけた。
(春子さんって言うのか)
彼らのやり取りを何気なく聞きながら、私は目の前に立てかけるようにして置かれたメニュー表を開いた。
恐らく夫婦2人で切り盛りしているであろうその店は、メニュー数はさほど多くないが、私の好きなものばかりあって迷ってしまうほどだった。
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SaYaKa(プロフ) - yndreamv0mm0vpqさん» コメントありがとうございます!!たくさんドキドキしてもらえるように頑張ります^ ^ (2018年8月2日 7時) (レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
yndreamv0mm0vpq(プロフ) - 今後の展開がすごく気になります。2人はどのようにして再開し、恋に発展して行くのか。ドキドキ。楽しみにしています。 (2018年8月1日 18時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2018年7月31日 1時