Episode7 ページ7
「ちょっとA!ひどい顔!どうしたの?!」
月曜日。
いつものように出勤すると、ユウキが駆け寄ってきて悲鳴に近い声で言った。
「サトルと別れた」
やつれた顔でそう告げると、ユウキは心底驚いた顔を見せた。
「え!!?ちょっと!!何で?だってあんた達、うまくいってたじゃん!付き合い始めてどんぐらいだっけ?」
「ん〜。2年半ってとこかな…」
「でしょ?何で急に…」
ユウキはもっと詳しく聞きたかったらしく、身を乗り出してきたけれど、それと同時に始業のチャイムが鳴り、渋々「お昼、ちゃんと聞かせてもらうわよ」と言い残して自分のデスクへと戻っていった。
「はぁぁぁ?何よそれ!最低じゃん!」
お昼の社員食堂でユウキは怒りを露わにした。
「ドタキャンした挙句に、好きな人ができたから別れてくれなんて!しかもそんな話を電話で済ますなんて!!」
自分の代わりにプンプン怒っている彼女を見ていたら、何だかここ数日モヤモヤしていた気持ちがスーッと晴れていくような気がした。
「優秀な銀行マンだがなんだか知らないけど、最低な男ね。そんな奴忘れて次よ、次!」
「うーん…そうなんだけどね…しばらくはいいや…」
軽食セットのサンドイッチを口に運びながら言うと、ユウキはひどく悲しそうな顔をした。
「よし!じゃあ今夜は飲みに行くか!!…と言いたいところだけど…。ごめんA…。今週仕事立て込んでて…」
「平気平気!ユウキ、最近忙しそうだもんね」
「ほら私来月キスマイのライブ行くじゃん?その時、休日出勤とかにならないように、今から仕事頑張って進めておくんだ!」
そう。
何を隠そうユウキはキスマイのファン(本人はキスヲタと言っている)なのだ。
「仕事のことなんて1ミリも気にせずニカちゃんに会いに行きたいからさ〜♡」
私はキスマイについてはよく知らない。
何となく顔は見たことあるけれど、彼ら全員の名前も正直分からない。
それでも熱心に出演番組をチェックしたりライブを楽しみにしているユウキを見ていると、応援したいと思える誰かがいるというのは、楽しそうだなと、少しうらやましい。
「そんなわけだからごめんね…A」
「全然平気!今話聞いてくれただけで十分よ。ありがと」
そう言うと、私はサンドイッチの最後の一切れを頬張った。
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SaYaKa(プロフ) - yndreamv0mm0vpqさん» コメントありがとうございます!!たくさんドキドキしてもらえるように頑張ります^ ^ (2018年8月2日 7時) (レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
yndreamv0mm0vpq(プロフ) - 今後の展開がすごく気になります。2人はどのようにして再開し、恋に発展して行くのか。ドキドキ。楽しみにしています。 (2018年8月1日 18時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2018年7月31日 1時