Episode11 【宏光side】 ページ11
「あの〜、もし良かったら、隣、いいですか?」
思い切って尋ねると、彼女は快く笑って「どうぞ」と答えた。
椅子を引いて腰を下ろすと、春子さんがおしぼりを持ってきてくれた。
「とりあえずビール。あと〜、だし巻きと枝豆と、とり大根!」
「はいよ〜」
春子さんの返事の後に、クスクスっと笑う声がした。
声の主が隣に座る彼女であることに気づき、「え?!」と顔を向ける。
「あ、ごめんなさい。笑ったりして。でも、あまりにも一緒だったから」
そう言うと彼女は自分の手元に視線を移した。
そこには俺がたった今頼んだものと、同じものが並んでいた。
「あ、本当だ!すごい偶然ですね。俺ら、食の好みが合うのかな」
「そうかもしれませんね」
クシャッと笑う彼女の笑顔に、俺は目を奪われた。
春子さんがビールと枝豆を持ってきてくれたところで、俺は体を右にひねり、彼女に言った。
「俺、北山宏光って言います。あなたは?」
「私は佐藤Aです」
「佐藤A、さん…」
その美しい響きにいつまでも浸っていたい気分だった。
「じゃあ、俺たちの再会に…」
そう言って手にしたグラスを突き出すと、彼女も自分のグラスを合わせた。
「乾杯」
一気に半分ほどビールを喉に流し込むと、無意識に「くあ〜っ」と声が出た。
(やべっ。オヤジくさいと思われたかも…)
恐る恐る隣を見ると、彼女は俺なんかには目もくれず、心から美味しそうにとり大根を味わっていて、思わず苦笑いをした。
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SaYaKa(プロフ) - yndreamv0mm0vpqさん» コメントありがとうございます!!たくさんドキドキしてもらえるように頑張ります^ ^ (2018年8月2日 7時) (レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
yndreamv0mm0vpq(プロフ) - 今後の展開がすごく気になります。2人はどのようにして再開し、恋に発展して行くのか。ドキドキ。楽しみにしています。 (2018年8月1日 18時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2018年7月31日 1時