Karte5 ページ7
彼女は中学までの話を包み隠さず教えてくれた。
病弱なせいで親に面倒だと言われてきた事、
授業の運動に参加出来ず虐められていた事、
優秀な兄がいて、いつも比べられてきた事。
好きでこんな弱い身体に生まれてきたかったんじゃない
泣きながらか細い声で吐き出す言葉が
苦しいくらいに胸に刺さる。
『話してくれてありがとう』
そっと抱きしめると小さく細い手が俺の服を掴む。
落ちる涙を指で拭ってもまたすぐ潤む瞳。
このままずっと抱きしめていたくなる。
「…………先、生…」
『ん……?』
「私、どうしたら……もっといい子に、なれるかな……?」
『Aは充分いい子だよ?
これ以上いい子になってどうするの笑』
「でも……」
『お兄ちゃんなんて気にすることないって。
AはAの生き方でいいんじゃない?』
だって、
誰かと比べる必要なんてどこにもないでしょ?
自分らしい人生っていいと思うんだけどな。
「私の…生き方……?」
『そう。Aだけの人生なんだから。
他の誰のものでもないよ。
だから、無理に変わろうとしたりしなくていいんだよ』
一瞬驚いた顔をした後、小さく頷いて、
隠れるように俺に抱きつく。
ふぅ……今日は送って帰るか。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
〖ちょっと小話〗
今回のモトキ先生の発言は作者が過去に
ある人から言われた言葉の一部です。
最初に言われた時は感動しました。
というわけでシリアス回をお届けしました。
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みちくさ(プロフ) - 更新嬉しい (2019年1月7日 14時) (レス) id: 0092df8a79 (このIDを非表示/違反報告)
誰かさん - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年9月25日 20時) (レス) id: 8e8bb61906 (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - きなこもちさん» 存ず!モトキイケメン! (2018年9月19日 18時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - ヒャードキドキする(>_<)カッコイイ〜 ←カタカナ多! (2018年9月19日 18時) (レス) id: 717b23c46c (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - 流莉彩さん» うぉ、いーなー。 (2018年9月16日 17時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來琉 | 作成日時:2018年2月17日 21時