56話 ページ8
『えいじゅーん、お疲れ様！』
御幸「………」
俺と話している間にAは沢村の元へ走って行った。
そんなに沢村がいいのかよ。
倉持「ヒャハハ！逃げられてやんの。ま、元気だせよ、旦那。」
御幸「ちっ。最近あいつら仲良すぎねぇか？」
倉持「まあ、確かに。ってかお前さ、ぐずぐずしてっとマジで沢村に持ってかれるんじゃねーの。」
んな事わかってるつーの。
キスしたり、抱きしめたり、いろいろやったけど全く振り向かねぇし。
意識してるっとは言ってくれて少し油断したのがダメだったのか？
御幸「……」
倉持「いっその事ホテルに連れて行けばいいんじゃねーの！ヒャハハ！」
御幸「それは犯罪だろ……出来るもんならやってみたいけどよ。」
倉持「マジでやるなよな。まあそれは置いといて、お前らどこまでやってる訳？」
御幸「キスはまあ。」
倉持「は！？お前もう手出したのかよ！」
御幸「変な言い方すんじゃねーよっ！嫌では無かったって言ってたけど……」
倉持「それってかなり脈ありなんじゃねぇ？女子って好きじゃない奴からキスされたら普通嫌がるだろ。」
御幸「それはわかんねぇ。俺達幼馴染だし、風呂とかも入ったことあるし。」
倉持「そりゃ違ぇだろ。お前が告白した上でキスしたんだから、それを嫌じゃねぇつったんなら脈ありだろ。」
確かにそれもそうか……
ほんと俺、恋愛になるとヘタレ過ぎて恥ずかしいわ。
御幸「くっそ。わけわかんねぇ。」
倉持「押してダメなら引いてみろ。」
御幸「は？」
倉持「だから、あんまり関わんないようにしたらいいんじゃねーの？そしたら七瀬も寂しくなってそこから自分の気持ちに気づく。」
うわ、なんだこいつ。
外見とは違って乙女心わかるのか？
倉持「っつーのを純さんから聞いた。ヒャハ！」
御幸「お前が考えたんじゃねぇーのかよ。でもまあ確かに成功しそうかもな。」
倉持「だろ？早速やってみればいいんじゃね？」
御幸「おうって言いてえ所だけど、俺が無理。Aと関わんないなんて俺がどうにかなりそうだわ。」
そう、俺はAと喧嘩した時だっていつも謝るのは俺。
同時って時もあるけど、俺は、Aと離れたら誰かに取られるんじゃねーかって思って怖い。
倉持「野球の時の強気はどこ行ったんだよ。」
御幸「うっせぇ。」
恋愛にも強気で行きてぇよ。
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作者名：のこのこきのこ | 作成日時：2016年3月16日 20時
