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52話 ページ4

秋大に向けての練習試合が多く組まれる中で先日、薬師高校と突然練習試合となり、選手たちは気合いを入れていた。




しかし結果惨敗。




7対2で青道がコールド負けしてしまった。




マウンドに立たされた栄純はいつもの様子が違った。




その後、一也の構えたところに投げ込めず、甘い球を薬師に打たれまくった。




一也によると栄純はインコースに投げこめないイップスになってしまったと聞いた。




稲実との試合で白河くんへのデッドボールが影響しているのだろうか。




せっかくエースになる為にもっと頑張ると言っていた矢先にコレだ。




既に学校も始まり、周りでは長い間会えなかった友人との再開を喜んでいる中、私は野球の事でいっぱいいっぱいだった。



『ねぇ、倉持。』




倉持「なんだよ。」




『部屋での栄純……どう?』




倉持「あ"ぁ"!?」




、、、




、、、




『ちょ、そんなに怒んないでよ。クラスが騒ついてるよ。』




「なにあれ、ケンカ?」
「倉持こわっ。」
「元ヤンなんでしょ?」
「七瀬さんなにしたんだろ。」




倉持「わ、わりぃ。いや、あいつ部屋で気持ちわりぃぐらい静かでよ。こっちが調子狂うっつーの!」




『やっぱり、落ち込んでるのか。でも、イップスなんて他人がどうこうきるようなもんじゃないからね。』




倉持「そりゃそうだけどよぉ。おい、御幸。お前どうするつもりなんだよ。」




倉持は席に着いてスコアブックを眺める一也に声をかける。




キャプテンの一也にそりゃあ意見聞くもんだよね。




御幸「そんな事より今は弱くなった打線をどうするかだ。沢村にはこんな事で潰れてもらっちゃ困る。」




倉持「……お前、言ってる事むちゃくちゃだぜ。」




一也は栄純の事、信じてるんだ。




ここまで努力して頑張ってきた栄純だからこそイップスぐらいじゃ負けない事を……




『ちょっとはキャプテンらしくなったじゃん。』




御幸「おいおい、ちょっとはってなんだよ。」




『みんなに認められたいならいつどんな時でも打ってくれないとね。』




倉持「ヒャハっ!お前の嫁、厳しいな!将来、尻にひかれんじゃね!」




『誰が嫁よっ!』




御幸「いやぁ、Aに責められるのも嫌じゃねぇかも…」




『なに想像してんのアホっ!』




御幸「いで」




倉持「イチャつくんじゃねぇ!」




御幸「いだっ…なんで俺だけ。」

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作者名:のこのこきのこ | 作成日時:2016年3月16日 20時

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