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Episode26 -4 ページ4
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「なぁんだしないのか」
「だいたい、私も翔さんも仕事が…」
「社会人なんだから上手くやればいいだろ」
「智さん！」
たぶん私今真っ赤だと思うんだけど、慌てて大きな声を出したら智さんがまたにんまりと笑う。
「あぁわかったわかった、プラトニックもいいと思うぞ」
「智さん！！」
えろおやじか…！と突っ込みたい衝動をギリギリのところで抑えて私は智さんの名前だけを叫ぶ。
まだ笑ってる智さんだけどぽんぽんと私の肩を叩いてうって変わってちょっと真剣な声で言う。
「普通の話が普通にできるようになって良かったな」
「……うん」
普通に、恋人との話を聞かれて、答えて。
あの日を境に無くなった普通のそれが、あまりにも日常に馴染んできている。
そう、雅紀くんが、智さんが、こうして私に話を振っていること自体が、失われていた日常というものだったりするのだ。
「Aちゃんが嬉しそうでよかったよ。俺も、たぶんあいつも喜んでる」
「そうかな」
「そうだろ。Aちゃんには過保護だったしな」
「……そうだね」
今度は濁すことなくその言葉で肯定する。
これはね、自信が持てる。
あの兄ならばきっと、智さんと同じようににんまりと笑いながら私の話を聞きたがるに違いないのだ。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年6月1日 10時
