Episode6 -7 ページ48
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櫻井さんは私に気を使ったのか家に一番近い大通りで「おやすみなさい」と言って来た道を戻っていった。
そこからしばらく歩いて自宅のドアをくぐると、私は張りつめていたものを吐き出すように「はああ」と大きく息をついた。
ぐるぐるといろんな思考が頭の中を回っている。
雅紀くんの誕生日を当日に祝うのはもう毎年当然のことで、今年だって当たり前にそのつもりだったしそれでいいと思っていた。
今だって雅紀くんの誕生日は祝いたいし、それは当日の方が良いに決まっている。
だけど、もしもその予定がイブに入っていなかったらと、考えてしまっている自分がいた。
明日は朝早くから仕事がある。
わかっているのに、ベッドに横たわっても眠気はやってこない。
キッチンカーの中で笑顔を浮かべる雅紀くんと、「いつまで生きるんですかね、人は」なんて遠い目でつぶやいた櫻井さんとが瞼の裏に思い浮かぶ。
どうして私はこんなに焦っているんだろう。
友達の誕生日を当日に祝うだけなのに。
それだけのはずなのに。
それを櫻井さんに告げてしまったことが重い石のようになって胸の底に沈んでいた。
ごろんと寝返りを打つ。
いつでも見えるようにとずっと飾ってある百合の花。
櫻井さんからもらったそれはもう力を失くしてしおれかかっている。
そろそろ新しい百合に変えなきゃいけないな。
捨てちゃうのはもったいないけど、押し花か何かにして飾ろうか。
そんなことをぐるぐると考えているうちに、思考と睡魔の境界線があいまいになってやがて夢の中へと落ちていくのだった。
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iCHiKA(プロフ) - あまさん» コメントありがとうございます。前作からのお付き合い感謝いたします。習慣ですか！とても嬉しいです。引き続き楽しんでいただけるように頑張って執筆していきますね！お付き合いよろしくお願いいたします。 (2019年12月22日 17時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 前作から拝見させていただいています!!!更新が楽しみすぎて毎日寝る前にこのページをチェックするのが習慣になっています!!! これからも頑張ってください!!!! 楽しみにしてます!!!!! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます。前作も読んでいただいたとのことで、とても嬉しいです。面白いと言っていただけて大変光栄です！応援ありがとうございます、今作もお付き合いいただけますよう頑張らせていただきますね。 (2019年12月8日 17時) (レス) id: a52d40e8ad (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - 前作の「甘く、沈む。」から読ませていただいてます。とーっても面白いです。更新大変だとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 (2019年12月8日 16時) (レス) id: 714c843cad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年12月7日 13時
