Episode2 -8 ページ18
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私も無意識にやってしまう。
相手が自分にとって無害な人かどうか、どんな人なのかを、必要以上に探ろうとしてしまうのだ。
あの頃から身についてしまった癖。
松本さんは有害ではなさそうだった。
櫻井さんのことを慕っている様子が言葉から感じ取れたし、身だしなみに手抜きもなくてたぶん真面目な人。
そうやって相手を推し量ろうとする目、というのがある。
そこまで深いものかどうかはわからない。
だけど櫻井さんが私を見る目には、相手を推し量ろうとする迷いのようなものが感じられた気がして。
私はそれが、こんなにも気になっているんだ。
雅紀くんと話しながら心の中が整理されて、真っ白だった視界がクリアになったような気がした。
私は櫻井さんに、危うさのようなものを感じているのかもしれない。
自分と似たようなそれを、放っておけない気がしているのかもしれない。
脳裏に浮かんでいたのは、マシュマロを差し出した時に私に注がれた櫻井さんの視線だった。
「A？」
「…あ、ごめん、なんだっけ」
「恋かもしれないなら、悪いことじゃないと思うよって言ったの」
「…うん、ありがと、雅紀くん」
気になるというのは、悪いことではないんだろうか。
私のこの引っ掛かりは、櫻井さんを推し量っているだけに過ぎないんじゃないかと、ふと不安になる。
だけど雅紀くんは、そんな気持ちを吹き飛ばすような笑顔で自分のグラスを私のグラスにぶつけた。
「一歩前進ってことで、乾杯！」
「！…ふふ、やっぱり雅紀くんは雅紀くんだね」
「えー、なにそれ」
笑いながら雅紀くんをまねてグラスを煽ったら、「いい飲みっぷり」と雅紀くんが褒めてくれた。
雅紀くんの笑顔には見てるだけでこっちまで笑顔になれるパワーがある。
「でもやっぱ感慨深いなぁ、Aの恋の相談を受ける日が来るなんてさあ」
またそんなことを言った雅紀くんは続けて小さな声でこんなことを言った。
「なんつーかさぁ、A、俺がいなくてもどんどん自分でいろんなことが出来るようになってて、さみしいなぁ…」
呟くようにそう言いながら焼き鳥のくしを口に入れて頬を膨らませる雅紀くんは、言葉通りどことなくさみしそうな顔をしているように見えた。
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iCHiKA(プロフ) - あまさん» コメントありがとうございます。前作からのお付き合い感謝いたします。習慣ですか！とても嬉しいです。引き続き楽しんでいただけるように頑張って執筆していきますね！お付き合いよろしくお願いいたします。 (2019年12月22日 17時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 前作から拝見させていただいています!!!更新が楽しみすぎて毎日寝る前にこのページをチェックするのが習慣になっています!!! これからも頑張ってください!!!! 楽しみにしてます!!!!! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます。前作も読んでいただいたとのことで、とても嬉しいです。面白いと言っていただけて大変光栄です！応援ありがとうございます、今作もお付き合いいただけますよう頑張らせていただきますね。 (2019年12月8日 17時) (レス) id: a52d40e8ad (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - 前作の「甘く、沈む。」から読ませていただいてます。とーっても面白いです。更新大変だとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 (2019年12月8日 16時) (レス) id: 714c843cad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年12月7日 13時
