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「え、いない…」
私たちが外のパトカーに目を奪われていた好きにどこかに行ってしまった金田一くん。人が亡くなっているところ申し訳ないが、言われっぱなしではない様子の彼に少しだけワクワクしてしまった。
しかしながら時間を追うごとにどんどん集まるパトカーに不安が募るのも嘘ではない。
「はぁ…」
竜「大丈夫です。絶対に金田一先輩が解決してくれます！」
私の手をぎゅっと握って言う竜太くんにコクリと頷くが今回ばかりは逃亡しながらの推理。上手くいくかどうか…。
もう遅いから、と警察の人が家まで送ってくれたものの部屋に入れば先程とは比べ物にならないくらいの恐怖が襲って来る。
「どうしよう…」
時間は0時過ぎ。あっちは…夜19時過ぎと言ったところだろうか。時計を見てスマホからおじさんの電話番号を探す。
prrrrrr…
「ダメかな…」
ロス市警でそれなりに活躍しているおじさん。今日も忙しいのか、と電話を切ろうとした時だった。
健「もしもし？どうしました？」
「おじさん、いま大丈夫？」
えぇ、今日は稀に見るほどの何もない日でしたからと優雅に答えるおじさん——明智健悟さん。お母さんの弟である。
「今こっちで大変なことがあって…」
健「少年が有名な作家を殺害した事件ですか？」
「なんで知って…」
一通り世界で起きている大きなニュースは目を通していますよ、と答えるおじさん。
「そうなんだけどそうじゃなくって…友達なの。容疑者になっちゃった子。どうしたらいい？」
健「どうしたらも何も警察に捜査は任せてください。危険ですからくれぐれも近づかないように。」
「金田一くんは絶対犯人じゃないの！」
金田一くんは誰かを殺すような人間じゃない。そう伝えれば静かになるおじさん。
健「…警察の私からすれば状況と証拠が全てです。」
「っ…。」
おじさんの言葉に思わず口籠る。やっぱり、大人は皆そうなのかな。
健「ですが。」
「…？」
健「叔父として言うのであれば初めてその少年と会う警察よりも、そばにいた友人…すなわちあなたの方がずっと彼を理解していると思いますよ。」
「おじさん…」
健「別の容疑者を探すしかないですが！くれぐれも、危険な行動はしないように！良いですね？」
「はあい！」
健「何ですかその間伸びした返事は。聞いてます？ちょっと？」
あれ？スマホの調子が、なんて言いながら電話を切る。
よし！頑張ろう！
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作者名：はんぺん | 作成日時：2022年7月29日 11時
