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———橘五柳別荘、ダイニング
一「部屋をノックしたけどいくら呼んでも返事がなかったからドアを開けてみたんだ。そしたら…」
橘さんは既に頭から血を流し、床に倒れていた。それを見て駆け寄って声をかけたところ、何者かに後ろから襲われたらしい。
気を失った後は誰かが扉をノックし、呼ぶ声で目を覚まし…
一「気が付いたらトロフィーを握ってて…」
剣「つまりお前が書斎を訪れた時、橘五柳は既に殺されていた。で、犯人の顔は？」
金田一くんは首を静かに横に振る。
時「嘘だ。部屋にはお前しかいなかったはずだ。ほら見てください。皆さんも。」
時任さんは竜太くんの手にあったiPadを取り勝手に再生を始める。…なんか感じ悪い。
時「僕たちが書斎に向かった時雨が上がったばかりのぬかるんだ地面には書斎に向かうコイツの足跡しか残っていなかった。誰かいて部屋から逃げたのならそいつがつけた別の足跡があるはずだ。」
一「いや絶対に誰かいた！俺はそいつに殴られて…」
い「待てよ？窓とか別のところから逃げたってことも…」
都「いや、あの書斎の出入り口は一つしかないし窓は換気用だから人は出られない。」
他に誰かいたなんて大嘘だ！コイツが先生を殺したんだ！と言い張る時任さんに段々と腹が立って来る。
動機がないといつきさんが話すも先生と揉めていて謝罪に行ったけど受け入れられずカッとなってやってしまったんだとまで言い出した。
大「刑事さん。この坊主もう一つ嘘ついてまっせ。菊蔵さん！橘先生から、20時に電話があったんですよね？」
菊「それは間違いありません。20時丁度に寝室のエアコンが壊れてるって連絡がありまして。」
大「この坊主が先生の書斎に行ったんは19時45分。先生から菊蔵さんに電話があったのは20時。つまり、20時には先生は生きとった。言ったら死んでたなんてそんなの嘘や！」
剣「まぁまぁ皆さん落ち着いて。コイツは人を殺すような人間では絶対にない！これは何かの誤解なんです。」
剣持さんがそう力説するも納得いかない様子の大人たち。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえて来る。
野「私が呼んだの。」
剣「まずいな…」
い「このままだと坊主が捕まっちまう。」
どうにかして金田一くんの容疑を晴らせないか、と考えを巡らせていると振り返った野中さんが声を上げる。
野「ねぇあの子どこ？」
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作者名：はんぺん | 作成日時：2022年7月29日 11時
