吉良ヒロトの妹は、記憶喪失で○○と○○の幼なじみ！？[アレスの天秤] (ページ33)

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二十七話ページ33

Noサイド

試合が終わったその日の夕方。月光エレクトロニクスの会社では、社長の御堂院宗忠と野坂が話をしていた。

御「失望したよ、残念ながらお前達は負けた、よってお前達のアレスから抜けるという望みは叶わないことになるな」

野「しかし今回の件で、アレスシステムは疑問視されかつてのような支持は得られなくなる」

御「フンッ、ふはははは！君は、情報操作という言葉を知っているかね？我が社の権力を持ってすればどうにでもできるんだよ」

野「そういうと思っていましたよ」

御「なに？」

野「だからこそ、僕はこの計画を進めてきた、貴方はアレスシステムのエラーによって精神が崩壊した、宮野茜という少女をご存じですか？」

御「宮野、茜、それがどうした？」

野「貴方は、アレスの被害者達を隠蔽してきました。圧力をかけてね、しかし、宮野茜は地道なリハビリによって正気を取り戻しました、そして、僕の提案で彼女には病気が治っていないフリをしてもらっていたんです」

御「なんだとっ」

野「僕は彼女の協力を得ながら、病院内にある証拠を集めてきました、アレスシステムの危険性を証明できる証拠を」

御「それでアレスを潰すとでも言いたいのか？フッ！不正な方法で得た証拠など効力はない」

野「確かにその通りです。元々僕が証拠となりデータを集めたのはアレスを潰すためではなく、真実を確かめるため、アレスは世界に光をもたらすものなのかどうか、残念ながら、アレスは諸刃の剣だった、アレスは効率的に人の精神と身体の能力を上げる代わりに、人の体を蝕む副作用がある、これは決定的なシステムの欠陥だ！」

御「そんなことを誰が信じる？世論などどうとでもなると言ったはずだ」

野「証拠ならある、決定的な証拠がね」

御「はっはっは！どこにそんなものがある？」

御堂院は自信ありげに笑ってそういう。

野「それは、ここです、僕の頭の中にできた腫瘍は、アレスシステムで使用される薬によるものです、僕はこの腫瘍を摘出せず、アレスとの関連性があることを調べてもらっていました、この僕の頭に残る腫瘍こそが、アレスを潰すための生きた証拠なんだ！」

御「命をかけてこの私を陥れようというのか」

野「流石に手術のできる限界が、残り三ヶ月と言われ、少し焦りましたけどね」

御「貴様ああああ！！」

御堂院が野坂に掴みかかった瞬間、入口の方からサッカーボールが飛んできて御堂院に直撃した。そのボールを蹴ったのは灰崎だった。