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11.信じたい確かな音 ページ11








イタイだろうか。

いや、構わない。




丁寧に書いた"4時、教室に来てください"の手紙を、少女漫画みたいに彼女の下駄箱の中に置いた。

来てくれなかったら、なんて心配はない。



来てくれる、その思いを強く持ったまま静かになった教室で4時まで待つ。








……まだ靴の音がしない。

耳を澄ませても一切しない足音に、少しずつ不安の感情が襲いかかってきた。


大丈夫、そう唱えながらもちょっとだけ震える手を両方重ねて、ひとつ息を吐いた。








.







時計の針は、4時を過ぎた。

来ないってことは、もう、



じんわりと視界が歪み、頬に流れた涙がカッコ悪すぎて、急いで拭くと涙のせいで光って見える夕日。

Aも、この夕日を見ながら耐えていたのだろうか。好きな人が来ない、この苦しみを。




そう考えたらチクチク痛む胸を抑えて、がたっと椅子を引き立ち上がる。

時間は十分にあった。だけど、来ないってことは……そういうこと。



なら、明日からまた振り向かせるため頑張ろう。




荷物を持って教室を出ると、さっきまで聞こえなかった靴の音がだんだんと近寄ってきた。

……期待しても、いいのだろうか。





ゆっくり振り向いた先、いたのは、確かに走ってきたせいで髪の毛が崩れてしまってる愛おしい人。







「ごめん、っ、我妻くん、遅くなっ、」


『Aっ……!!』







嬉しくて、荷物を投げ捨てて彼女の元へ飛び込んだ。

少しだけきつく抱きしめたけど、彼女は、ふっと笑い、"そんなんされると、無駄に期待しちゃうよ"と呟いた。




あの時と同じ。

弱くて、小さい声。自信の無い声。





……今度こそ、伝えるんだ。

今度は、俺が隠してきた気持ち、全部。







『誰よりも、好きだ』







炭治郎に負けないぐらい

君以上に好きと思える人は、いないぐらい


それぐらい、大好きなんだ。







「っ、私の気持ちは、我妻くんにとって、邪魔じゃない……?」







弱くて脆い君を、守りたい。







『邪魔なわけない、なんなら……僕の方が想い強すぎて、迷惑になるかもしれないけど、』







『僕と、もう一度、付き合ってくれませんかっ?』

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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
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- 面白かったです!  (2020年2月1日 22時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 超苦しい!なんかやっぱりきゅうってする!…炭治郎ぅう!私は好きだゾォォオ!! (2019年12月23日 1時) (レス) id: bbe87bcae1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわふわべあー。 | 作成日時:2019年12月7日 21時

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