第一断罪〜第1回断罪人質問大会(前編)〜 ページ16
部屋の隅の一角にある柱にもたれかかる目元の隠れた一人の女。
それを挟むように立つ二人の高身長の男。
ただひたすら異様な状況に心の中で困惑するジャッジ。
次郎「じゃあ早速1つ目の質問ね!」
そんなジャッジの気も知らず、次郎は楽しそうに質問をし始める。
次郎「アンタなんて名前なんだい?」
ジャッジ「...ジャッジ」
次郎「へぇージャッジっていうんだね。アタシは綺麗な次郎さんだよ!これからよろしくね!」
太郎「私は太郎と言います。よろしくお願いします。」
ジャッジは頷く。
次郎「じゃあ次の質問ね!アンタ歓迎会はまだ終わってないのになんでこんな所に居たんだい?」
ジャッジ「...慣れない場所に居るのは辛い。だから抜け出した。私はああいった場は苦手なんだ」
太郎「宴会のような場所は苦手なのですか?」
ジャッジ「...あぁ」
次郎「んー宴会のどこが嫌いなんだい?騒がしい所?それとも大人数で飲み食いする所?」
ジャッジ「...別に宴会とやらは嫌いなわけではない。大人数で騒がしくするのはとても良い事だと私は思っている。」
思わぬ好意的な回答に二人は驚く。
次郎「じゃあなんでここにいるんだい?嫌いじゃないなら参加すればいいじゃないか」
次郎は浮かんだ疑問を率直に伝える。
ジャッジ「...その質問にはさっき答えた」
次郎「え、あ、あぁそうだったね!」
不思議なジャッジの雰囲気に完璧に流されてしまった次郎は、それ以上聞けなかった。
次郎(なんか不思議な子だなぁ...)
太郎(なんだか不思議な人ですね...)
次郎「兄貴もなんか聞きたいことあるんじゃない?」
太郎「そうですね。よろしいですか?ジャッジさん?」
ジャッジ「...あぁ」
太郎「入隊式での事なのですが、途中で退出されましたよね?あれはなぜでしょう?」
ジャッジ「...見送り」
太郎「...見送り?」
ジャッジは頷く。
太郎「なぜ、えっと、誰をお見送りしたのですか?」
謎めいた回答に一度言葉をつまらせた太郎
ジャッジ「...私の親愛なる同志達の一人が遠出する事になってな。それの見送りだ。」
太郎「なるほど、そうでしたか。」
次郎「アンタが出て行っちゃった時もう会場全体がホンットにびっくりしちゃってたよ!入隊者が入隊式に参加しないなんて前代未聞過ぎてさ!」
そう笑いながらジャッジの肩をバンバンと叩く次郎。
次郎「というか大丈夫だったのかい?途中で抜け出したりなんかしちゃって」
ジャッジ「...問題はない」
ジャッジへの質問大会はまだ続く。
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作者名:姫刃 | 作成日時:2019年4月4日 21時