第一断罪〜隅っこ〜 ページ14
鶴丸が振り向けば待ってましたと言わんばかりの劈くような黄色い声が上がる。
その声にジャッジは耳を塞ぎたくなる衝動に駆られる。気を紛らわすかの如く料理を口へと運ぶ。
ジャッジ「...行かないの?」
動く素振りを見せない鶴丸に尋ねるジャッジ。
鶴丸「...君その言い方だと俺に行って欲しいように聞こえるんだが?」
ジャッジ「...否定はしない」
鶴丸「...君それ酷くないか?」
ジャッジ「...だってあなたが居ると」
ジャッジが何かを言いかけた時。
女1「鶴丸様ぁー♡いまぁ〜お時間ありますかぁ〜?」
女2「よければ私達とお話しませんか?」
女3「ぁっ!ゎたしもぉ!」
鶴丸が振り向いたのが機だと思ったのか女達が鶴丸に話しかける。
ジャッジは言わんこっちゃないと言いたげなため息をつく。
ジャッジが鶴丸に行って欲しかった理由はこの状況に巻き込まれたくなかったからだ。会場の中心部に行かない理由も恐らくこれだろう。
鶴丸「あー、無い訳では無いんだがな」
女4「無いわけじゃないんでしょ?じゃあいいじゃないですか〜」
女5「そぉですよぉー!」
一人の女が話しかけた事でそれに続くように続々と女達が集まってくる。
ジャッジ(...囲まれて抜け出せなくなる前にとっとと此処を去ろう。)
そう思ったジャッジは先程口に含んだ料理を飲み込み、その場を立ち去ろうとする。
鶴丸「あっ!待ってくれ!ジャッジ!」
それを引き止める鶴丸。
ジャッジ「・・・」
ジャッジは振り向き、鶴丸を見つめる。
鶴丸「あの、そのだな、あー...」
相変わらずの曖昧な回答にジャッジは相変わらずの無言無表情で鶴丸に背を向け、会場の出口へと歩み大きな扉を開け、出ていった。
女6「鶴丸様〜こんな隅っこじゃなくて真ん中に行きませんか〜?鶴丸様にはこんな場所似合いませんよ?」
鶴丸「あぁ...そうだな!」
鶴丸はいつもの笑顔になり女達と会場の中心部へと歩んでいく。
ジャッジを引き止められなかった自分に不快感を覚えながら。
ジャッジは会場から出て、隅っこにある柱にもたれかかり、入隊者歓迎会が終わるのを待っていた。
ジャッジ(美味しい料理を食べられると聞いたから参加したが...やはり慣れない場には行くものではないな。まぁここは会場の外だ。もう何も起きないだろう。)
そう肩を下ろしていた。
??「おや?こんな所でどうされたのですか?」
??「ホントだよ!歓迎会はまだやってる筈...ってアンタ例の入隊者じゃないか!」
この男達が話しかけてくるまでは。
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作者名:姫刃 | 作成日時:2019年4月4日 21時