第一断罪〜続かない会話〜 ページ13
鶴丸が畏怖してる事なんてジャッジは気づかずに料理を食べ続けている。
鶴丸「君その料理そんなに気に入ったのかい?」
ジャッジは頷く。
鶴丸「へーそうなのか、その料理アイツが作ったんだぞ」
そういいながら眼帯をした黒髪の男を指差す。
ジャッジ「そう...」
ジャッジはそれだけ言うとまた料理を食べ始める。
鶴丸「・・・」
ジャッジ「・・・」
鶴丸は今、とても困っている。
この軍の顔のいいの男達は、女と会話する時は女が勝手に話を振ってくる。そして男はそれに合わせる。それが当たり前だった。〜歓迎会にて〜の女共の会話を参照するのをオススメするよ。
でもこの女は話しかけてくる素振りの欠片も見せない。話しかけてもそこで会話が途切れてしまう。
まるで興味がないように。
それでも鶴丸は、何とか会話を繋ごうと頑張る。
鶴丸「なぁ1つ質問いいか?」
ジャッジは顔を上げ鶴丸を見る。
鶴丸「君なんでこんな隅っこにいるんだ?もっと真ん中に行けば色んな人と交流出来るぞ?」
ジャッジ「...交流?」
鶴丸「あぁ、そうさ交流だ」
ジャッジ「そう...」
鶴丸「・・・」
ジャッジ「・・・」
鶴丸が話しかけてジャッジが興味なさげの肯定をし、静寂が訪れる。
こんな感じの会話が5回ぐらい続いた。
彼の粘り強さに感心するよ。
次はどんな話題で話しかけるか、それを鶴丸が考えていた時だった。
ジャッジ「...ねぇ」
鶴丸「っ!?」
唐突にジャッジに話しかけられ、息が詰まったように驚く。
ジャッジ「私も1つ訊いてもいいだろうか?」
鶴丸「な、なんだ?」
鶴丸は冷静を装い、言葉を返す。
ジャッジ「...どうしてお前はそんなに私に話しかけるんだ?」
鶴丸はその言葉でようやく気づく。
自分がこの女に必要以上に話しかけている事に。
そしてこの女に何かを求めている事に。
それが何かは分からない。
でも何かを求めている。
鶴丸「え、えっとなそれはあのーあれだ!」
自分でも分からない事に答えられる筈もなく、はぐらかそうとする。
ジャッジ「...どれ」
鶴丸「あー...」
曖昧な回答に助け舟を出すかのようにジャッジは言った。
ジャッジ「...答えられるような理由がないのであるなら、あなたこそ、こんな隅っこではなくもっと真ん中に行くべきでは?」
そう言いながらジャッジは、髪の隙間から微かに見える目から放つ視線を鶴丸の背後へと向ける。
その視線を辿り鶴丸は後ろを向く。
後ろを向くと憧れ、好意、そんな感情を含んだ視線を鶴丸へと送る女達がうじゃうじゃといた。
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作者名:姫刃 | 作成日時:2019年4月4日 21時