兄弟は知っている【探偵チームKZ事件ノート】 (ページ9)

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～上杉一家のお話～2 ページ9

そういえば、莉音に言っておかないといけないことがあった。
「なぁ、莉音。」
「なに？」
「今日、俺、友だちの家で遊んでくる。親、仕事でいないけど平気か？」
今日は若武から集合がかかっている。家には親が仕事でいない。ということは莉音が家に一人になってしまう。
「平気だよ。家で留守番してる。」
聞いた感じでは平気そうだ。しかし俺は正直莉音を一人にしておきたくない。莉音は昔、誘拐事件の被害者になったことがある。そのせいで、パニック障害になってしまっている。一人になると、パニックになりやすい。だから不安なのだ。
「典が考えてること、なんとなくわかる。大丈夫。パニックになったらすぐに電話する。」
「わかった。いつでもかけてきていいからな。」
「うん。」
莉音を信じよう。でも、不安だ。これからもこういうことがあるだろう。そういうとき、KZの集合なら連れて行っちゃだめだろうか？･･･若武に聞いてみるか。
「じゃあ、いってくる。何かあったらすぐに連絡しろよ。いつでもでられるようにしとくから。」
「うん。いってらっしゃい。」

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