たとえあなたが鬼でなくても 下

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一通り泣き終えた炭治郎さん、もとい竈門君は直角に腰をおって大きな声で｢すみませんでした！！｣と謝ってきた

先程の弱々しい彼は何処へやら

だがその目はまだ充血している


善逸さんが撫でてと言うので
撫でればくねくねし始めた

今回だけだからね？次回はないよ？
まだ教師生活を終わりにしたくないもの



｢Aさん｣

『今は先生ですよ』

｢A先生、今は幸せですか？｣


『幸せよ、幸せすぎて怖いくらい』



無惨さんといい、彼らといい、
私は恵まれすぎると思う

今の彼氏も無惨さんと伝えれば我妻君は嫌な顔をした
竈門君もムスッとしている


けどごめんね、私は彼以外に幸せになれないんだ



それから沢山話した
私たちが死んだ後のことを


あれから人間たちは鬼に脅かされることはなくなり、
殆どの鬼殺隊が辞めていった

しかし鬼頭の範囲以外の小物の鬼は残留していたため
それらを片付けるため上位、また主な戦力は
鬼殺隊をつづけていたそうだ

目の前にいるふたりも鳴柱、日柱、
そして伊之助さんは獣柱に昇級したという

暫くして鬼は全滅し、鬼殺隊は公式に解散した

彼らの1部は地元に戻って元の生活を送ったり
新しい家族を築き新しい職に就いたり
中には剣術を伝えるため武道を開いた人もいるという


宇隨先生も記憶があるのだと教えてくれた

あーなるほどね、あの人には迷惑かけたからね
だから今も尚突っかかって来るんだね。納得。



最終下校時刻の予鈴が鳴りドアを開ける

もうそろそろ帰らないと



『ありがとう』

｢いえ、こちらこそありがとうございました！！｣

｢また遊びに来てもいいですか？｣

『うん。おいで』



年齢相応の笑顔を見せてさよならと手を振り
昇降口の方へと走っていった

さて、私ももう1つ覚悟を決めよう。




職員室に戻って鞄の中から
綺麗にラッピングされた袋を手に取った

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