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85. ページ38

――あの日は、しとしと雨が降っているせいか、町には誰もいない、なんだか寂しい日だった。

A「……水月は、貧乏な私達を支えたいって言って、最年少で宇宙警察に入ってて、家には居なかった。地元では水月、天才だなんて言われていたわ。……向こうでは雑用係だったらしいけどね。」

……それで家に一人でいた私は、あの日いつものように夜遅くまで起きて、外で働いている両親の帰りを待っていた。

お父さんもお母さんも、どんな仕事をしているのか教えてくれなかったけれど、当時幼い私でも、あまり良いものじゃない事が分かった。

……彼らが時々、とても痛々しく傷ついて帰って来ていたから。

A「……そういう時はね、私が二人を手当してあげたの。……そしたら、貴方は優しい子ね、ってお母さんが褒めてくれた。……お父さんも、そう言って私の頭を撫でて笑ってたわ。」

神威「……うん」

A「……そう言えば、私あの時、将来お医者さんになりたいだなんて言ってたんだっけ。……医者なんて、今の私はまるで正反対ね。」

今どころかもう、あの時には既に、私の手は血に染まっていた。……両親を傷つけた奴らの事が、許せなかったのだ。復讐心に駆られ、……あとは、本能の赴くままに。

――医者のように傷ついた人達を癒すどころか、幾つもの数えきれない命を奪って、壊して。

A「……きっと、バチが当たったのよ。……お父さんもお母さんも、それに巻き込まれた被害者。……全部、私のせい。」

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設定タグ:銀魂 , 神威 , 阿伏兎   
作品ジャンル:アニメ
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みるく(プロフ) - 黒狐さん、最後まで本当にありがとうございました〜!感謝です(;Д;)(;Д;) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - (;∀; )いい話だった………いつか小説、書くことがあれば、見に行きます! (2018年9月30日 13時) (レス) id: ceb7e35640 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - まおさん、ありがとうございます(;Д;)(;Д;)全力で頑張ります! (2018年9月23日 13時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 最高すぎます、一般人とは思えない語彙力でいっつも更新楽しみにしてきました!これからも頑張ってください! (2018年9月22日 19時) (レス) id: 6f6285bd1e (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 八神さん、ですよね!神威くんかっこ良すぎます……。ありがとうございます、頑張りますね! (2018年9月10日 11時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるく | 作成日時:2018年8月28日 17時

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