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A「……え?」
阿伏兎「ここの全指揮を、お前さんにとってもらう。――嬢ちゃんの指揮一つで、俺達が生きるか死ぬか、それが決まる。」
A「……っ…ちょっと待って!!私、そんな」
普通、ここの団長様に戦力外通告を受けたばかりの団員に、いきなりそんなことを頼むだろうか。しかも、私は指揮なんてとったことは一度もない。
それなのにこんな責任重大なこと、絶対に無理に決まっているのだ。
阿伏兎「大丈夫。お前さんならできるさ。……それに、俺たちが生きてんのは、いつだって生きるか死ぬかの世界だっただろう?……今更何を怯える必要がある?……死ぬ時は、どうせ皆一緒だ。」
阿伏兎がそう言うと、団員達の視線が一気にこちらへ集まってきた。それらは皆阿伏兎と同じ、仲間を信じる目だ。
彼らは、弱くて足でまといで、ここの何処にも居場所なんてないこの私に、全てを預ける覚悟なのだ。
――どうかしてる。
阿伏兎「心配しなくても、もし悪い結果になったって誰もお前さんを責めたりなんかしねェよ。
……嬢ちゃんが、いつも俺達を信じて戦ってくれてんのを知ってるからだ。……だから俺達も、仲間を信じる。」
A「……っ……」
阿伏兎「いいか、覚えとけ。弱くたって、少しぐらい足引っ張ったって構いやしねぇ。……助けて助けられて、互いに信じて共に戦う。それが仲間ってもんだ。……何かあったら俺が何とかしてやる。だからそんなシケたツラしてねェで胸を張れ。分かったな。」
私の肩に、ポンと手を置く阿伏兎。
じんわり、心が温まっていくのを痛いほど感じた。
涙が出そうになるのをぐっと堪えて、両手でパチンと頬を叩いて、精一杯の返事をする。
A「…了解、しました…っ……!!」
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みるく(プロフ) - 黒狐さん、最後まで本当にありがとうございました〜!感謝です(;Д;)(;Д;) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - (;∀; )いい話だった………いつか小説、書くことがあれば、見に行きます! (2018年9月30日 13時) (レス) id: ceb7e35640 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - まおさん、ありがとうございます(;Д;)(;Д;)全力で頑張ります! (2018年9月23日 13時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 最高すぎます、一般人とは思えない語彙力でいっつも更新楽しみにしてきました!これからも頑張ってください! (2018年9月22日 19時) (レス) id: 6f6285bd1e (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 八神さん、ですよね!神威くんかっこ良すぎます……。ありがとうございます、頑張りますね! (2018年9月10日 11時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2018年8月28日 17時