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A「……分かってる。…私、捨てられるのね」
阿伏兎「……だ、誰もそんな」
A「いいの。捨てられるのは、慣れっこだもの。……不良品の道具にはお似合いだわ」
ただ、恋をしたのは初めてで、ショックがいつもより大きいだけだ。もうとっくに慣れた心の痛み。
阿伏兎「……自分のことを、道具なんて言うもんじゃねぇよ。お前さんは、ただ自分で前向いて生きていくことから逃げてるだけだ」
A「……っ」
阿伏兎「誰かにすがってるだけじゃ、いつまでも誰からも道具以外として見てもらえねーよ。」
書類に雑な字で必要事項を書き込んでいきながらそんなことを言う阿伏兎。
A「……じゃあ、阿伏兎はずっと私の事、都合のいい道具だって、思ってたの?」
阿伏兎「……そりゃあ、利用し利用されるのが当たり前な世界だからな。最初は、女なんか信用できねェし、正直な所嬢ちゃんを利用するつもりだった」
A「………そう」
阿伏兎「……けど、今は少なくとも第七師団の仲間だと思ってる。……これからもな。……分かったらさっさと仕事しろ。そしたら嫌なことも忘れられんだろ」
仲間、か。そんな事、初めて言われた気がする。
たとえ一人だけでも、私の事をそんな風に思ってくれている人がいたのか。
そう思うと自然に、笑みが零れた。
A「……私、阿伏兎を好きになれば良かったな」
阿伏兎「アホか。こんなオッサン、無理があんだろ。」
A「そうね」
阿伏兎「オイ」
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みるく(プロフ) - 黒狐さん、最後まで本当にありがとうございました〜!感謝です(;Д;)(;Д;) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - (;∀; )いい話だった………いつか小説、書くことがあれば、見に行きます! (2018年9月30日 13時) (レス) id: ceb7e35640 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - まおさん、ありがとうございます(;Д;)(;Д;)全力で頑張ります! (2018年9月23日 13時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 最高すぎます、一般人とは思えない語彙力でいっつも更新楽しみにしてきました!これからも頑張ってください! (2018年9月22日 19時) (レス) id: 6f6285bd1e (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 八神さん、ですよね!神威くんかっこ良すぎます……。ありがとうございます、頑張りますね! (2018年9月10日 11時) (レス) id: 927439fb4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2018年8月28日 17時