団長と兎.2

49. ページ2

――――ウィーン

神威「ねェ、手合わせしてよ」

A「……？阿伏兎じゃなくてもいいの？私じゃ色々と」

神威「いいの、アイツはデスクワークで忙しいンだってさ。それに、Aとだって十分楽しいよ」

休憩中の私に話しかけてきたのは、恋仲の神威。
今日もかわいい。本人に言ったら殺されそうだが。

…とは言っても、私達は普段は恋人であることを極力意識しない。
……その方が、もし戦場でどちらかを失った時、辛くなくてすむ。
あくまでも常日頃から戦場に立つ身。
いつ命がなくなってもおかしくはないことを忘れてはいけない。
毎日の特訓も欠かさずに行う。

A「……分かったわ。頼むから船に穴があくようなことがないように注意してね」

神威「あはは、流石にそれは俺達でも死んじゃうもんね」

A「……笑い事じゃないわよまったく」
――――
たわいもない話をしながら二人でトレーニングルームに入る。
ほかの団員は、今のところ使っていないらしい。

神威「んじゃァ、手加減ナシでいくからね」

A「え？それはちょっとキツくない？」

トレーニングルームに入るや否や構えた彼に驚く。
こんな化け物と本気で、しかも宇宙で殺りあったら間違いなく天国行きだろう。いや、地獄か。

神威「大丈夫だよ、殺したりしないから」

A「そういう問題じゃなっ……！！ちょっ…待って神威…！」

私の叫びも虚しく、笑顔で突進してきた彼。
すぐにとんできた攻撃に対処しきれず━━

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