24話 ページ26
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『誰が送ったかなんてわからないから、恨みの矛先をどこへ向ければいいかなんてわからないです
それに、もしその恨み辛みを相手に向けて、仮に復讐を果たせたとして、その人を大切に思う人が悲しんだら、私は恨む相手と同じことをしたって事じゃないですか
相手と同じことをするくらいなら、まだ籠ってた方が何千倍もマシです
それに、第三者を巻き込んでまで悲しませてまで、復讐したくない』
苦笑されて苛ついたが、有馬のその言葉を聞いて俺は息をすることを一瞬忘れた
目の前にいるこの少女は、綺麗すぎる
俺とは違うんだと、突きつけられる感覚に眩暈がした
『…綺麗ごと、なのは分かって、ます。ある意味、一種のエゴです
だから私は、ボーダーに入りました。これ以上、大切な人を失わないために、このエゴを突き通すために』
有馬は前置きが長くなりましたと言い、言葉を続ける
『似た境遇に、ある人間でも、私と迅さんの、考えてることは全然、違います
それは、三輪先輩と、迅さんも同じだと、思います
皆が皆、同じ考えなんて多分あり得ない
だからあの、何が言いたいかって言うと…その違いを否定、しないであげて下、さい
時間がかかってもいいんで、あの、その…
上からモノ言ってスイマセン、ハイ』
お茶、ご馳走様でした
そう吐き捨てて、有馬は作戦室から走り去っていった
それを止めることもなく、俺は先程まで彼女が座っていた先をボーッと見つめる
さっきまで流暢に話してた癖に、酔いが醒めたかの様にいつもの調子に戻って…
「…クソ、好き放題言いやがって」
戦闘においても、考え方も認めよう
嫌悪感も前ほどは感じない
だが、見透かす様なあの真っ直ぐな目だけは、どうしても苦手意識が拭えないと感じたのだった
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『(やばい先輩に対して上から目線でもの言っちゃったよめちゃくちゃ生意気じゃんあぁ死んだもう三輪先輩と顔合わせられないていうかこれ確実に嫌われたやつだよね無理一生あの眼光鋭い目で見られるんだ)
あああああああああああああもう無理いいいいいいいいいい!!!!!!』
三輪にほんの少し認められている他所で、本部の廊下を全速力で、かつ叫びながら駆けるAであった
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まんじゅうDX - あっ……待ってめっちゃ好きです。更新応援してます! (2022年3月26日 23時) (レス) @page8 id: b43443e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
いな九尾(プロフ) - 返事、ありがとうございます。楽しみにしてます! (2022年3月19日 23時) (レス) id: 7dc257a408 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - いな九尾さん» ありがとうございます!機会があればBLEACHの作品を書かせていただきます! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 00d7e0ecde (このIDを非表示/違反報告)
いな九尾(プロフ) - 返事、ありがとうございます。残念ですが、Kkさんの作品はどれも面白いのでまた気が向いたらBLEACHの作品を作ってくださると嬉しいです。更新これからも頑張ってください! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 7dc257a408 (このIDを非表示/違反報告)
Kk(プロフ) - いな九尾さん» 初めまして。BLEACHの作品ですが、勝手ながら削除してしまいました。理由としては、単純に長続きしないと判断したためです。なら作るなよって話ですが…楽しみにしていたにもかかわらず、こちらの勝手で申し訳ないです。 (2022年3月19日 10時) (レス) id: 00d7e0ecde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KK | 作成日時:2022年3月18日 23時