1．玉狛支部のコミュ障ちゃん【WT】

15話 ページ17

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三輪先輩の激昂ぶりに対し、嵐山さんはどこまでも冷静な対応を見せる


「お前がネイバーを恨む理由は知ってる
恨みを捨てろとか言う気はない
ただ、お前とは違うやり方で戦う人間もいるって事だ
納得いかないなら人に代わって、お前達が気が済むまで相手になるぞ」


大人の余裕ってこういうことを言うんだろうな
なんて呑気に思っていると、両手にトリオンのキューブを出現させた出水先輩が戦るならさっさと始めようぜ、なんて戦闘狂まっしぐらな台詞を吐いた

傍から見れば出水先輩の攻撃態勢は明らかにフルアタック
だが、違和感を覚えた瞬間すぐに気づいた
そのままインカムを佐鳥に繋げる


『佐鳥、待って！！』

「！」



＿＿＿＿＿＿ギィン！！！！



声を張ったと同時に狙撃が出水先輩を襲ったが、それはシールドによって防がれた
フルアタックと見せかけたフルガード。佐鳥の居場所を確定するための罠だったってことだ
居場所が割れたところで米屋先輩が佐鳥の下へ向かい、それを藍がカバーに向かった

出水先輩やることゲスい！！


「…有馬が大声張るとこも驚いたけど、それ以上に俺がフルガードしてるってどうしてわかった？」

『ぇ、と…』


不敵な笑みを見せる出水先輩に聞かれ、私は言葉を詰まらせる
コミュ障に話しかけんじゃねーよ心臓に悪いから！！
ちなみにフルガードに関しては勘です！！！！
以上！！！！


「つか、もしかしてお前が最近嵐山隊とつるんでたのってこれの備えのためか？」

『ぁの…』

「こらこら出水、それ以上有馬をイジメてやるな」

「いやだって嵐山さん、こいつが他人と喋ってる所なんてレア中のレアじゃないっすか
こんな貴重な体験滅多にないっしょ」

「余計な話は後だ出水
今は戦闘に集中しろ」

「へいへい」


ああああああ嵐山さんの神対応きました！！！！
私は内心エグエグ泣きながら嵐山さんにお礼を言った
こうやって普通に話しかける事ができればいいんだろうけど、私にはまだ遠い未来の話だ

さて、ふざけていないで気持ち切り替えないと

深呼吸をして身体も心も整える
初めての対人戦闘、協力戦
今は藍が米屋先輩と戦っているから、藍の代わりを私がするんだ
大丈夫、嵐山隊の動きはこの3日間で十分に理解できてる


『…嵐山さん、時枝
フォローお願いします』

「「了解」」


2人の返事と同時に、私は一歩踏み出した

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