魅惑的ミルフィーユ

「恋の始まり」園田side -Haru- ページ1

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私は会社に好きな人がいる。



同じ課の北山部長
(36歳)(独身)(彼女ナシ←最近別れた)だ。



短大卒業後、この会社に入社して二年目になるけど
この課に配属されて北山部長と目が合った瞬間から一目惚れだった。



学生気分冷めやらぬ自分
部長いわく「赤ちゃん」な私にとって
大人の男性の色気、というものに初めて直面した社会人生活の一日目。



カランカランって鐘の音が聞こえるって言うでしょ？
あれを体感した。誰に言っても信じてもらえないけど。



一気に恋に落ちたんだ。



でもずっと彼女がいるってどこからともなく耳に入ってた。



でもそもそも私が相手にして貰えるはずもないからそこまで落ち込むわけではなくて。



多分目がハートなのよ、部長を見る私は。
だから、北山部長には気持ちはバレてるはず。



彼女いるからって気持ち隠せなくて、何かといえば北山部長の周りをウロウロしに行ってウザがられて･･･



何かと言えば「赤ちゃんだからなー、園田は」とか
「乳くせーやつはさっさと帰って寝ろ」
とか、言われちゃう始末。



でもいいんだ、
どうせ恋愛対象にしてもらえないなら
少しでもそうやって笑って相手にしてくれるのが嬉しかったから。





「いや園田ちゃん、それあしらわれてんでしょ。」




二階堂さんは私の二つ上の先輩。



北山部長への気持ちがわかりやすい私は
早速二階堂さんに指摘されてよく相談に乗ってもらってる。
いや、二階堂さんのおもちゃにされてる、と言った方がいいか。





「あしらわれてるって･･･二階堂さん、言い方気をつけてくださいー。」


「だっておまえ、最近の北山部長、マジで機嫌わりーんだぞ？ピリピリしてるっつか。そんな時に用もないのにくだんねーこと話しかけてみろよ、そりゃ乳くせーからあっち行け、になるわ。」








･･････わかってたよ？
あの頃の北山部長が様子が変だったのは。



でもだからこそ、元気になってもらいたいって
気分転換してもらいたいって



そう思っていつも以上に無駄に笑顔で話しかけてたんだよ。



私の独りよがりってわかってても
あの頃の北山部長はなんだか見てられないって思ってた時



ひょんなことから勢い余って告白をした。
即振られたけど、むしろオッケー貰えるなんて思ってもないし。




だから最後の悪あがきに二人でのご飯に漕ぎ着けた次の日
口の軽い二階堂さんからもうその時には北山部長が彼女と別れてた事を知らされたんだ。







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