魅惑的ミルフィーユ

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告白した時、当たり前に振られるってわかってた。
その時は彼女と別れてるなんて思いもしてなかったし。



だから彼女がいても、抱いて欲しい･･･と縋った。
「赤ちゃん」のくせに、今思い返してもバカだったと思う。



でもどうしても北山部長に触れたくて
北山部長のその手で私に触れられたかったから。



後悔はしてないけど、私の汚点だ。




でも北山部長はそんな私をそれこそ軽くあしらって
それでも諦めきれない私は
後日、食事に連れて行ってもらった帰り
北山部長の優しさに甘えて家にお泊まりさせて下さいってごねた。




だって、彼女と別れたって知ってしまって
そのまま引き下がるわけにいかない。



二人で食事なんてきっともうない。
最後のチャンスだ･･････って。




抱いてくれるわけないってわかってても
もし一晩、一緒にいれば･･･って。



彼女にしてくれるわけない。
でも、もし、もしもしもーしっ、
北山部長が彼女と別れたばっかりで人肌恋しくて･･･って



思った。




私の押しの強さがめんどくさかったのか
北山部長の暇つぶしにしたかったのか
今となってはもうわからない。



北山部長は、私を部長の家に泊めてくれた。



そして、




私は、その最後のチャンスを
軽々と、やすやすと、当たり前のように
いや、むしろそんなチャンス初めからなかったんじゃないかと疑うほど、




完全に逃したんだ･････････。









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「園田ちゃん、今日もむちむちしてて気持ちいいー、」


「･･･玉森さん、やめてください。」





三つ上の先輩の玉森さんはこうしていつも私の耳たぶを触ってくるのが趣味の、ちょっと変な人だ。




そして、駅前開発のプロジェクトメンバーでの会議前
まだ誰も来ていないのをいいことに、いつものように私で遊んでくる。



二階堂さんといい、玉森さんといい、私ってほんといじられやすいキャラなんだな、って内心ため息が出る。



しょうがない、年下だし。ペーペーだし。
二階堂さんは私の恋バナで遊んでくれて
玉森さんは私の耳たぶで遊んでくれる。



いいよ、いいの。



でも、あのお泊まりした日から
北山部長が前みたいに「赤ちゃん」とか「乳臭い」とか言ってくれなくて、ちっとも構ってくれなくなったからすごく寂しい。



私が本当に構って欲しいのは北山部長だけなのにな。





「みみたぶぅ〜、」


「･･･やめてください玉森さん。」









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