35 ページ35
「で?伊藤より桐谷の方が好きなんて、あの二人あの日なんかあったとか?」
小さな休憩室。
ドアを閉めてコーヒーを差し出された。
「・・・いえ、何もないと思います。」
「じゃあ、どうして?」
「ごめんなさい、崎本部長に言うことじゃなかったです。忘れて下さいっ、」
こんな話っ、普通の上司と部下じゃしないよっ、
我に返ってまた頭を下げる。
「・・・一度聞いてしまったんだから全部話せよ。それに、言えない仲じゃないだろ?俺達は。」
・・・言えない、仲じゃ、ない、
「勘違いすんなよ?仮にも昔、伊藤の事をそれなりにわかってた男だから、俺は。あの時幸せにしてやれなかった分、今力になりたいって言うのは図々しいかな?」
そう、だよね。変な風に考えちゃったかも。
自分の考えが恥ずかしくなってブンブンと首を横に振る。
「北山が桐谷を忘れらんないか。身につまされる話だな。」
「え・・・?」
「・・・まぁ、男ってダメだよ。昔の女にはいつまでも思い残っちゃうっていうか。って北山の肩持っちゃダメだな俺も。」
それって・・・・・・?
崎本部長の気持ち・・・?
驚いて動揺を隠せない。
それでも崎本部長はなんて事ないように
いつもの余裕たっぷりな顔で
「大丈夫だよ。それはそれ。今の女は今の女だ。北山の事ちゃんと信じて自分に自信持て?」
・
・
「って、宏光と同じ事言うのぉーっ、崎本さんっ!!説得力ないって!!」
「酔うの、早くないですか?伊藤さんっ、」
「あぁ、やばいな、」
仕事帰りの居酒屋。
”困った時の藤ヶ谷”と相沢さんに
金曜日からの事を洗いざらいぶちまけた。
私が頼るべきは崎本さんじゃない、
相沢さん込みの藤ヶ谷に限る!
「にしても、北山は何ふらついてんだか。」
「太ちゃんも身につまされる話だったりして〜?」
ジロっと睨まれて肩を竦める藤ヶ谷が
なんだか新鮮で笑ってしまう。
・・・お似合いだなぁ、
「おい、なに両肘ついてニヤついてんだよ。悩んでんだろ?」
「二人見てたら悩みなんて吹っ飛ぶかもー、」
「あ、それはいいですね。きっとほんとに北山さんなら心配無用ですよ、伊藤さん。」
そう、かな。
相沢さんに言われると説得力ある。
「それでもやっぱり、桐谷部長が離婚してるってのが伊藤さんも心配しちゃう所なのはわかりますけどねー。」
・・・・・・離婚、?
・
1064人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haru070917(プロフ) - ありがとうございます。でも北山夫婦のこれからも知りたいかなまた書いて下さい (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» 本編読み終えて下さったんですね!長い時間お疲れ様でした^^;ありがたいです。続編というか完全に桐谷部長のお話になるのでまた、趣向が変わるかもです。が良ければお付き合い下さいーっ♪ (2019年12月21日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 完結お疲れ様でした!遅ればせながら、本編を読み終え、自分の気持ちの中でとても上がっている作品なので、また続編を書いて頂けるなんて、とても嬉しいです(^^)楽しみにしています! (2019年12月21日 18時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» 素敵と言ってもらえてほっとしました。読み応えあるものを、と思っていたので嬉しいです(T_T)こちらこそ、ずっとお付き合い下さってありがとうございました!!(^^) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nanacoさん» スッキリできてたー?いつもラストは難しいなって思うよ^^;nanacoちゃんもずっと読んでくれてありがとー!スピンオフもよろしくね♪ (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Haru | 作成日時:2019年11月23日 20時