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「ちょっとさ、酔っ払って階段登れないから、背中押してくんない?」



「えー?面倒だなぁ、ほらっ、押すよ?」





沢村くんのアパートの前。
あまりにも酔っ払ってるから送ってきた所
背中を押して階段を一段ずつ上る。




今日、めちゃくちゃ飲んでたもんね。沢村くん。




でも、・・・楽しかったな。
初めて二人で飲みに来たけど
正直最初はこんなに沢村くんの印象が変わるなんで思ってもみなかった。




中途採用で私の会社に来た彼は
挨拶もそこそこの感じわるーい一つ下の新人。



出来れば近寄りたくない存在って感じでいたのに
なぜか同期の岡元が沢村って面白い奴だからAも一緒に飲もうぜーって誘われて嫌々ついてったのが事の始まり。



ほんとにお酒が入ると話が弾むし
話題が豊富でずっと会話が途切れない。
初対面のあの仏頂面は人見知りだったんだろうか?


私の事を”おじょー”と呼ぶ彼に
最初はイラついたけどすぐに慣れたのは彼のキャラクターだと思う。


それから何度か岡元と沢村くんと三人で飲んでたんだけど。



岡元が休みの日に飲みに誘われて
じゃあ他に誰か呼ぶ?って聞いたら、別に二人でもいいじゃん?って。



まぁいっかと思って、





今、









「ちょっ、沢村くん!やめてっ、」




階段を登りきってドアの前。



帰ろうとしたら強い力で部屋まで引き釣りこまれてしまった。




「おじょー、ここまで来て逃げんの?」


「逃げるよ逃げるっ!ほんとにやめてっ!」





私の抵抗なんて聞いてないみたいにベットに押し倒される。





「・・・ほんとは嫌じゃないくせに。」




確信を付かれてドキリとしたけど
こんな、なし崩し的にしたくなかったし
キスしてこようとする口を懸命に阻止した。





「おいっ、その手避けろって、」


「いやいやっ、無理っ、」


「つか、キスくらいさせろっ、」


「バカじゃないのっ?しないっ、」






お互い半笑いでそのうち爆笑しちゃったりして。
でも、油断したら途端オスの顔でキスされそうになって阻止して・・・っていう攻防の後、
諦めた彼は私を抱きしめて眠ってしまった。




・・・どうしよう?
嫌じゃない、彼の腕の中が。



でも、帰らなきゃ。



そろっと沢村くんの腕から抜け出して
静かに玄関の扉を閉めた。



途端、気が抜けて大きくため息が出る。




・・・あんなに嫌いだった彼を好きになってきてる。



次に誘われたとしても断れる自信なかった。

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Haru(プロフ) - にかみつばさん» みっくんの長年の恋がようやく実っての、完結でした。そう言って頂けてありがたいです!また他作品、遊びに来てくださいね!ありがとうございます(^^) (2020年5月25日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - みっくんの恋が報われて嬉しいです。もっともっと読んでいたかったです。 (2020年5月25日 12時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» ありがとうございますー!みっくんの長年の口説きにようやく落とされまして無事完結致しました(笑)そうですよね、私ラブラブがなかなか書けなくてすぐ終わりにしてしまう悪い癖が(笑)他作品もよろしくお願いいたします♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» さっこさんもいつもコメントありがとうございます!番外編。。ちょっと今は考えられないですがそう言って頂けるのは幸せです。また読み直して下さるとは。。ありがたいですーっ、他作品も頑張ります♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます!女は愛される方が幸せ。。まさにこの物語がそうですよね。それが北山さんなら。。言う事ないのですが(笑) (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Haru | 作成日時:2019年9月29日 8時

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