女心とミツと空。【完結】

７ 北山side ページ7

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俺の同期
上原A
通称、おじょー。



一つ下の中途採用の、若干仕事のできる男に
”都合のいい女”にされてからもう三年が経とうとしてた。



三年だぜ？
上原の三年は沢村によってほとんど費やされて
それが上原の為にいいのか悪いのか
ずっと側で見て来た俺もよく分からなくなってきてた。



確かに沢村は人当たりはいい。
人見知りはあるみたいで最初は生意気そうな奴って思ってたけど人の懐に入ってしまえば情に厚く、憎めないやつだ。



ただ、俺は上原を弄んでる沢村はマジでムカついてたけど。






「そんなの、宏光だって経験あるんじゃないの？」




彼女のアキ。
付き合って四年が経とうとしてた。
俺が沢村と上原の話をした時、そう言われて少しドキリとはしたけど。



でも、三年だぜ？それはない。
俺だって一通り遊んでは来たけど
一人の女の子の一生を棒に降りそうな遊びはした記憶ない。



記憶ないだけでしょ？ってアキには一蹴されそうで口には出さなかったけど。




わかってる。
こんなの男女にはよくある関係で
他人の俺が口を出す事なんて無粋だって事くらい。



上原だって、納得してる･･･



のか？



なんだかんだ口では強気な事言ってても
時折見せる寂しそうな顔が堪んないんだよ。




いつだったかな。
沢村が女の子と腕組んで歩いてる所を見ちゃった時があって。




ほら見た事かって思った。
やっぱりこんな男なんだ、沢村はっ、て。





だからその事を上原に言ったら
少なからず動揺を見せて今後の沢村との付き合い考えるかなって思って、上原が傷付くのも承知で言ったんだ。



あいつ、他にも女いるんじゃないか？って。



現場を見た事は言えなかった。
それはやっぱり上原が傷付くのが最後の最後で躊躇われたから。



中途半端な事言っちまったなってすぐ後悔したけど･･･




「いるかもしんないね。」



平然と当たり前のように俺の言葉を聞き流そうとする上原をもう、見てられなかった。



平気か？って聞くと



「平気だよ、だって好きだから」



そう言い切る上原の目はどこか焦点が合ってなくて
それも堪らなくて、俺は自分の無力さに腹を立ててた。





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