22 北山side ページ22
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目を覚ますと、俺の存在もすんなり受け止めてるような上原。
こうして自然と傍に寄り添えていたらそれでいい。
今日明日の休みでとりあえずこいつの心の傷を少しでも癒せたら、そう思った。
「なにがいい?朝飯。」
「・・・北山、悪いけどほんとに食欲ないから。北山が食べたいもの食べて。」
「じゃあ、お腹に優しいものでも作ってやっかな〜、」
その辺のパン屋もいいなって思ってたけど
すぐ吐いちゃうみたいだしお粥でも作ってやろう、そう思ってスーパーに向かう。
「あのさ、北山、マジで帰んないの?」
俺をマジマジと見つめて怪訝そう。
「帰んないよ。今日も泊めて。」
語尾にハートを付けて可愛く言ったつもりなんだけど
眉間にシワを寄せられる。
「ま、いいじゃん。うぜーだろうけど俺の事空気だと思って。」
「うざい空気って、めちゃくちゃ息しにくいんですけど。」
「そのうちそれが良くなんのよ。」
絶対無理くり言ってるけど
もうこんな返ししかできない。
で、ほんとにそうなって欲しい、そう思いながら上原の頭をポンポン、と叩いた。
で、
「とりあえず着替え買うから風呂貸して!」
パンっと手を合わせて甘えてみる。
ローテンションの上原を少しでも明るくさせたくて
今日の俺はいつも以上に頑張ってんだ。
その想いが通じたのか、
わかったわよ、とため息をつきながら
じゃあ、この辺で何か買いなよ、と商店街に二人で入った。
スゥェットとトランクスを数枚ゲットして
スーパーでぼんやり俺の後ろを着いてくる上原を気にしながら買い物をして。
帰り道、何を話す訳でもなく歩くんだけど
結構な荷物になった袋を無理やり片手に持って
上原の手をずっと繋いでた。
おまえは一人なんかじゃないぞって。
ただでさえ孤独な上原に少しでも俺の温もりを分け与えたかったんだ。
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Haru(プロフ) - にかみつばさん» みっくんの長年の恋がようやく実っての、完結でした。そう言って頂けてありがたいです!また他作品、遊びに来てくださいね!ありがとうございます(^^) (2020年5月25日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - みっくんの恋が報われて嬉しいです。もっともっと読んでいたかったです。 (2020年5月25日 12時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» ありがとうございますー!みっくんの長年の口説きにようやく落とされまして無事完結致しました(笑)そうですよね、私ラブラブがなかなか書けなくてすぐ終わりにしてしまう悪い癖が(笑)他作品もよろしくお願いいたします♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» さっこさんもいつもコメントありがとうございます!番外編。。ちょっと今は考えられないですがそう言って頂けるのは幸せです。また読み直して下さるとは。。ありがたいですーっ、他作品も頑張ります♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます!女は愛される方が幸せ。。まさにこの物語がそうですよね。それが北山さんなら。。言う事ないのですが(笑) (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年9月29日 8時