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･･･この気持ちがニカが好き、
とかいう訳ではない事はわかる。




ただ、あの笑顔が見たい。
失恋なんかで落ち込んでんじゃねーよって呆れた顔されたいし、私の重い心を軽くあしらって欲しい。



ニカにかかると辛い事とかどうでもよくなるんだもん。




だから、あの時、



キスされるまでほんとにふざけてるのかと思って
まったくニカってば、ってちょっと笑っちゃったくらい。



なのにな。



あんな風にキスされちゃうなんて。
甘えられなくなんじゃん、バカニカ。



友達として、最高の心の拠り所だったニカに
恋愛感情をもたれてしまうとこの先の接し方がまったくわからない。







でも、あんな思いっきりキスされたのにまるで嫌悪がない。



不思議だ。



玉森の軽いキスや
北山さんのあの色気に落とされそうになったキスは
私的にすごく衝撃だったんだけど。
心揺れた、ほんとに。




でもニカは･･･？




･･･男としてみてないからかな。




女の子としたくらいな気分かも。




だってニカっていつもすごい香水のいい香りするし。
潔癖な分いつも清潔感で溢れてるし。
気付いたら携帯とか机とかいつも拭いてたりとか。






･･･そのくせ広い肩幅とか大きくて綺麗な手とか、
ちょっと物憂げな視線とか･･･、




キスされてわかっちゃったじゃん。
ニカが男だって･･･。






「あぁぁぁー、」





もうやだっ、



どうしたらいいのかやっぱりわかんないっ、



ベットになだれ込んで枕に顔を埋めた時に携帯の着信音。





･･････。




誰かな。



誰とも話したくない、今。







ベットから携帯が入ってるカバンを眺めてると
一旦切れた音がまた再び鳴り響く。






金曜日の午後九時。




お母さんかな･･･




ノロノロと携帯を取りに行って画面を確認すると、さっきからずっと考えてた当人の名前だった。



躊躇してる間に切れた電話が休まずにまた鳴り出す。



ふふっ、
なんかおかしくなってきた。





通話をタップして耳元にあてるなり
ニカの声が飛び込んできてまた笑ってしまった。






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