カラフル←←

※ ページ6

「よし、決めた！」




何かに吹っ切れたように太輔が立ち上がった。




太輔の荷物をまとめた紙袋の所へ行くとその中身を取り出してあった場所へ片付けていってるんだけど･･･何してるんだろう？




「･･･ね、太輔？」


「俺、今日からここで暮らす。」



･･･へ？



「あの玉森って人に見せてた顔、あの顔俺に見せてくれるくらいAと仲良くなる為に。」



「え、いやいや、仲良いって、私達は付き合ってたんだから玉森なんて比じゃない、と思う、んですけど･･･、」




初めてかもしれない。
よくわからない太輔の言葉に突っ込み的な言葉を返すのは。




「・・・それでも、俺はめちゃくちゃあの人に嫉妬したよ。」




途端また見つめられてそんな事を言われると
彼氏だった太輔に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。





「それに･･･知ってたよ？A、寝る時もメイクしてただろ？」



「え？！」



「あれも止めてくんない？すっぴん見たいし、Aもすっぴんになる事で俺に心開きやすくなる事ない？」






やだよやだやだっ、
しかも今は食事も気をつけてないから肌も荒れてるしそんな太輔に見せられるようなシロモノではっ･･･！



って口に出して言えない私。



口をパクパクする私にふって笑って今日は一緒にお風呂入ろっか、だって？！



「･･･あのっ、お風呂は、無理だし、あのね？太輔、私達まだ、その･･･」




私、もう一度太輔と付き合っていいの？
心の準備もまだ何も出来てない、



同じ事を繰り返さない様に
私には考える時間が必要なんじゃあ
「考えたって無理だよ、」



私の思考を遮る太輔の言葉。




「俺もう我慢しないから。Aが何か言いたそうならそれを聞くまでずっと待つ。」




待つの？
待たれちゃうの？
いや、スルーしてくれて構わないんだよ？




「それに、こうでもしないと他の人達に持ってかれちゃうじゃん、満更でもなさそうなAの気持ちに焦ってる。ちゃんと俺の方向かせないとって。」



「･･････っ、」






ほら。何も言わなくても太輔は私の事やっぱりちゃんとわかってるじゃん。



もう、正直楽になりたいって気持ちもあったよ。
玉森やニカみたいになんにも気負わない彼氏ってどんな存在なんだろ？ってちょっとそっちに逃げたいって一瞬だけ頭を過ぎった事もあったんだから。

※→←※

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す