121 北山side ページ26
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あれからイトが崎本部長と会っていいっていう連絡を藤ヶ谷から受けた。
藤ヶ谷にその伝達を任せたのは
やっぱり全て把握してる奴から聞いた方がイトも決断しやすいかと思ったから。
藤ヶ谷が二階堂に任せるかどうかもその辺は判断すんだろって。
お互いの都合を合わせて今、崎本部長とイトを待ってる所だ。
ずっと険しい表情をしてる崎本部長を目の前にして
いつも肩の力が抜けてて大人だなって思ってた崎本部長の姿はどこにもないなって思う。
好きだった女の事になると、どんな男でもこれくらいは追い詰められる。それはオレも身を持って理解できる。
「⋯遅いっすね。」
待ち合わせの時間からだいぶ経ってることに気付いて携帯を取り出すと同時に着信音が鳴る。
イトからだ。
急に怖気づいたか?
すみません、って個室を出て電話に出るとイトの半泣きの声できたやまぁ、って聞こえる。
「⋯どした?」
『⋯タカシが、突然来られなくなってっ、』
「そうなの?仕事か?」
うん、うんってもう泣いてんのか?こんな調子じゃ今日は無理かもって思ってとりあえず今どこだ?って聞くと店の前だって言う。
店の外に出るとうずくまってるイトが顔を上げてまた、きたやまぁ、って情けない声でオレの名前を呼ぶ。
「崎本さん、来てる?」
「あぁ、おまえの事、待ってるよ。」
そう言うと黙って唇を噛んで、肩が震えてるように見える。
「⋯今日はやめとくか?」
のぞき込んで聞くと首を横に振るイト。
「私も。話し聞きたくて、来たから。」
「大丈夫だよ。崎本部長はイトのこと、傷付けたりしない。」
わかってるっ、って言って一人、うんって自分に言い聞かすみたいに頷いて崎本さんの所、連れてって?って。
⋯大丈夫だよ。
崎本部長はイトの事本気だったんだ。
別れる時は傷付いたんだろうけど、もうその時の辛い出来事で今も苦しむ事なんてないから⋯
イトにかけてやりたい言葉は山ほどあったけど
今はとにかく崎本部長の所にイトを連れてく。
無意識なのかイトの手がオレのワイシャツの裾をギュッって握ってるから、大丈夫だ、って言い聞かすみたいに反対側の手でイトの頭をポンと叩いた。
イトの気持ち、わからなくないだけにオレまで緊張してくる。
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時