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さて、試合当日。ついに雷門サッカー部は、野生中に訪れていた。
「ここが、野生中……?こんなジャングルの中にあったんだ……」
『うわぁ、1人で歩いたら遭難しそうだ。僕が居なくなったら行方不明届出しておいてね。』
「お前の場合は洒落にならん。」
『あは、我が幼馴染クンたちの顔が怖いなぁ。』
周りはジャングルのような景色。雷門イレブンが物珍しそうに周りを見た渡せば、自分たちとは違う騒ぎ声が聞こえる。
……獣の声のような声だ。
こちらからも物珍しいものあるように、相手からも当然物珍しいものはあるようで。
グリーンのユニフォームを着た、野生中と思われる個性的な少年たち。彼らは車に群がって好き勝手に暴れている。
『……野生中に請求書出しても良いのでは?』
「あんなのに負けられるかよ……」
『全ての能力は表面上に表れる訳では無い……何はともあれ、油断してはならないよ染岡くん。』
「……分かってるよ。」
学校の敷地内に入れば、多くの生徒達の声援が聞こえる。
……全て、野生中に向けてな訳だが。
「応援に来てくれた人の為にも、頑張ろうぜ!」
「……って、全部野生中の応援だろ。」
「俺達弱小サッカー部の応援なんている訳……」
雷門中にとって、完全なるアウェイ状態。興奮状態の円堂とは裏腹に、他のサッカー部員の気分は良いものとは言えない。
「居るんだよ!ほら!!」
そんな中、円堂が嬉しそうに指を指す。その方向には、壁山の弟とその友達がメガホンを持っていた。彼らだけで来たのだろう、小さな応援団が壁山と雷門イレブンにエールを送る。
『あはは、あの子壁山くんの弟クン?純粋で、健気で、可愛らしいなぁ。』
「お、俺トイレ行ってくるッス……!!」
「もうすぐ試合始まるって……!!」
弟の健気な声援は、壁山にとって完全にプレッシャーと化したようだった。
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作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月19日 3時