【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ36)

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「暗号で書かれてるのか？」

「外国の文字ッスかね？

大神さんは知らないッスか？」

部室にて、サッカー部は秘伝書の文字を思い出す。書かれていたものはとても読めるようなものではなく、全員が首を傾げた。

知識が豊富であることから、話は大神に振られていた。

『知っているよ。だが、残念ながらそれは日本語だ。』

「そうだ、おッそろしく汚い字なんだ。」

誰も読めないされる秘伝書が手元にあったところで、秘伝書の役割を果たさないことに部員たちは落胆していた。
その様子を見て、大神は不思議そうに尋ねた。

『何をそんなに嘆いているんだい？』

「だって、俺たちじゃ読めないんだぞ？！」

『僕らが読める必要はないだろう。

あの文字の解読者なら、そこに居るのだし。』

大神は秘伝書の頁をめくっている円堂を見やる。全員の視線が不安げに向けられた途端、円堂は喜びながら振り返った。

「すッげー！“ゴッドハンド”の極意だって！！」

「「読めるのかよ？！」」

「だって、爺ちゃんの特訓ノート読んでるから。」

早速、ノートの内容を全員で確認することになった。

「……うん。相手の高さに勝つには、これだ！

“イナズマ落とし”！！」

部員達は響きが気に入ったようで、期待げに円堂の言葉を待つ。2年生はどんな技の説明が来るのかと、息を呑んだ。

「1人がビョーンって跳ぶ。もう1人がその上でバァーンとなって、クルッとなって、ズバーン。

これぞ、“イナズマ落とし”の極意！！

……え？」

その場の全員が、円堂大介の語彙のなさに呆れ返る事となった。円堂曰く、サッカー一筋の人間で国語の能力は怪しいとのこと。

「でもさ、爺ちゃんは嘘はつかないよ。
ここには、本当に“イナズマ落とし”の極意が書かれてるんだ。

あとは特訓さえすればいいんだよ！」

果たして、その自信はどこから来るのやら。

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土門は首元にタオルを掛けて、雷門中の外周を走っている。電柱まで走り、態とらしく休憩！と口にして寄りかかった。

タオルで顔を覆い、独り言の様に呟き始める。

「円堂大介の秘伝書があります。ですが、円堂以外誰も読めませんし、手に入れたところで意味は無いでしょう。

そして、例の生徒ですが……俺の顔を見ても反応を示しませんでした。本当に別人か、或いは白を切っている可能性があります。

……休憩終わり！」

土門は再び走り出した。