【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ11)

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『やぁ、精が出るね！』

「あれ、大神？」

目的地にて、存在を示すために声をかければその場の全員が振り返る。そこには円堂だけではなく、その他サッカー部のメンバー全員が揃っていた。

『あははッ！全員やる気になったみたいだ、皆かっこいいよ！！』

「大神はどうしてここに？」

『どうしてって……約束しただろう、ここで会ったらサッカーしようぜってさ。

部員足りないんだろう、僕も混ぜてくれよ。』

「…………！！」

円堂は感激した様子でガッツポーズをしている。他のメンバーは大神との面識が浅く、不安げな顔で大神を見つめていた。

『皆さん、こんにちは！1年生の子達は本当に初対面だね、僕は2年の大神Aです。円堂のクラスメイトです、よろしくお願いします。』

丁寧にお辞儀をすれば、1年生は不安げな表情を和らげた。サッカーが出来る出来ないに関わらず、優しそうな人間だということに安堵したらしい。

「あッ、でもさ大神。いいのか、お前の父ちゃん……」

『ああ、構わないさ。バレるまでは隠しておけばいいからね。怖くて行動しないなんて、格好悪いじゃないか。

よく言うだろう、当たって砕けろ！』

悪戯に笑えば、円堂は改めて喜びを噛み締めているようだった。後ろで風丸が「砕けたらダメだろ……」なんて言っていたのは、聞こえなかったことにする。

しばらくして、円堂は手を叩いた。その音に、その場の全員が円堂に注目する。

「2年の奴らは知ってると思うけど、こいつは大神A！安心しろ、結構出来るやつだぞ！！」

『ど素人だけどよろしくね。』

「今この人、ど素人って言いましたよ！！？」

大神の運動神経は良い方だ、これでも昔の夢はスポーツ選手。たまに行う円堂とのサッカーのおかげか、ボール捌きは安定している。

「流石だな、大神。」

『風丸こそ、昨日今日で始めたとは思えないなぁ。』

その日から数日間、大神は練習に参加し続けた。コミュニケーションも頻繁にとって、チームメイトとの関係も良好だ。

『甘いね、染岡くん！』

「やるじゃねか！……だがな、俺だってこんなもんじゃねぇ！おら、半田ァ！！」

「危なッ……染岡、急にボール飛ばしてくるなよ！コラ大神、笑うな！！！」

この時、大神Aはまだ知らない。

……この練習が無意味になるということを。