【歌,い,手】音ノ葉

#16 ページ17

Aside


｢なんで‥‥アイツと、アイツらとウォルくんとSouくんが‥‥会ってるの？｣


頭をわしゃわしゃと掻き毟る。


アイツが言った。


『お前は、ショートカットの方が似合う』


ほかのヤツらのアドバイスは全部耳を傾けもしなかったけど、アイツのアドバイスはちょっとだけ参考にした。


だから今もあのショートカットのまま。


男と間違われる時があるけど、アイツが『似合う』って言ってくれるから。


いつもは茶化すアイツが。


いつの間にかアイツと並んだ背。少し低い私の声と、聞いていると落ち着けるアイツの声。


ｶﾀﾝ‥‥


｢‥‥？｣


棚から写真が落ちたようだった。


今の棚には、シェアハウスメンバーとの写真ばかり。


落ちた写真‥‥この辺りだと、海に行った時の写真かな。


そう思って手をとる。


それは


｢なんで、こういう時に限って‥‥！｣


アイツと、その友達と撮った写真。


ぼろぼろと我慢していた涙が零れる。


震える手で、写真を棚に戻す。


そのままへなへなと床に座り込んでしまった。いつもと違う、女の子座り。


｢会いたいよ‥‥渉｣


そこで私の意識は途切れた。


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