【忍たま】柑橘狂はトリップしても無敵Part3

109話:貴方はきっと ページ16

放課後、今日も3年生がやってきた。


「孫兵ー、お前に遅れた分の授業教える様にって先生から言われたから、勉強会するぞー」

作兵衛くんがそう言い、みんなが勉強道具を出した。

孫兵くんは露骨に嫌な顔をするが、それは仕方がない事だろう。


さて、私も行かなくてはならない。

「みんな、ちょっと出てくるからお留守番お願いできる？」

早速四次元バッグを持ちつつそう言えば、孫兵くん以外の5人は笑顔で了承してくれた。

しかし、孫兵くんは暗い顔をしている。

私は孫兵くんに近寄り、その沈んだ顔を無理やりあげた。

「ほら、すぐ帰ってくるからそんなに心配しないで。
みんなも居てくれるから大丈夫だよ」

そう言って頰を撫ぜてやれば、気持ち良さそうに目を細めて笑顔で頷いた。


「じゃあ行ってくるねー」

ばいばい、と手を振り、朝琴菊さんと出会った場所に向かった。


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あの場所へ行けば、琴菊さんはもう来ていた。

「すいません、待たせてしまって」

そう言いつつ小走りで駆け寄れば、琴菊さんは笑顔で良いわと言った。


「で、私を呼び出して何か用かしら？」

「ああ、そのことなんですが…」

私は要件が中々言い出せず、もじもじする。

それでも琴菊さんは寛大な笑顔で待っていてくれて、これは単刀直入に言おう、と決意を固めた。


「あっあの！琴菊さん！」

私は琴菊さんの手を取った。

「貴方は、貴方は____…」



どさり、



何かが落ちる音がした。

軽くなった右腕に違和感を覚え、音の原因に目を向ける。


その瞬間、ピシリと固まった。


そこには私が落とした四次元バッグ

そして、……




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鈍く光る、包丁があった。

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