【忍たま】柑橘狂はトリップしても無敵Part2

79話:味見 ページ35

「ごめーん遅くなったー」


声を抑えつつ、明るく医務室に入る。

見ると孫兵くんはまだ寝ていて、数馬くんと大中小トトロがいた。


「お帰りなさい、Aさん。
水汲んできたんですね」

「うん、飲み水と手拭い用。

こっちは経口補水液の材料ね」

お盆を畳の上にそっと置き、準備に取り掛かった。


「けいこう…ほすいえきですか？」

「うん、脱水症状や発熱症状のある人に飲ませるお水。
簡易バージョンだけどね、無いよりマシでしょ」

口を動かしつつ新しい桶に水を入れ、量を測った。

「ん〜〜、これで1ℓくらいかな」

少々適当でも身体に害はない


…多分。

次に大さじと小さじを思い出しながら砂糖と塩を入れる。


「砂糖が大さじ４と1/2〜
いーち、にーい、さーん、しーい、れーてんごー

塩が小さじ1/2〜
ちょいっとだーけ掬ってほい！」

ぱちゃん、と音を立てて溶ける塩を見送り、さじでかき混ぜる。

「こうすればあっと言う間に経口補水液の出来上がりですよっ」


じゃじゃーん、と桶を掲げて見せる。

藤内くん、数馬くん、トトロ衆はおお〜と感嘆の声を出した。



「……まあ、これ作るの初めてだから味の保証は出来ないけどね」

ぼそりと呟いたその言葉は5人にも聞かれていた様で、味見(毒見)しようかとの声があがった。

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