63話:寝てました ページ19
食堂に寝巻き姿の天女が来るというのは、やはりと言うかみんな驚いていた。
「天女が来たぞ」
「手伝いか?」
「寝巻き姿だ」
「なんで寝巻き?」
「まさか寝てたのか」
様々な声が聞こえてくるが、とりあえず寝たのは正解だ。
段々「シナ先生と並ぶとお粗末だな」とか言いたい放題になる声をスルーし、台所に入った。
むっ、胸は平均的にあるんだからねっ!
「おばちゃん、Aちゃん連れてきたわ」
「はじめまして、五十嵐Aです」
台所の奥の人物に頭を下げる。
「あら、五十嵐さんは随分礼儀正しいのねえ」
食堂のおばちゃんは濡れた手を拭きながら私の前に立った。
「おばちゃん、突然だけど、しばらくAちゃんは手伝いができないの」
シナ先生突拍子もなく言いますね!
不思議そうな顔をするおばちゃんに、慌てて言葉を付け足した。
「ええっと、今朝孫兵くんと会って看病する事になりまして、それでしばらくそちらに専念したいのでお手伝いをお休みさせて貰いたいのですが……」
ああ、やっぱりダメって言われるかも…
段々小さくなっていく声に情けなくなりながらおばちゃんの顔色を伺う。
おばちゃんは少し驚いたあと、優しく笑った。
「ええ、わかったわ。
孫兵くんは数日間見てないから心配してたの。
良かった、医務室にいるのね。
あっ、貴女朝ごはん食べていないわよね?
お昼ご飯は医務室で食べるの?
孫兵くんにもお粥作った方がいいかしら」
食欲が無くても食べなくちゃねえ、と続けざまに言うおばちゃんの声をやんわりと遮り、お礼と謝罪を言う。
「お手伝いできなくてすいません。
そしてありがとうございます。
孫兵くんはまだ寝ているので、私の分だけ頂いてもよろしいですか?
多分夜頃に起きると思いますので、お粥はその時にお願いします」
ぺこりと頭を下げる。
おばちゃんはそれにわかったわ、と返事をして、私にご飯をもたせてくれた。
「では、孫兵くんが心配なのでもう行きます。
本当にありがとうございました」
最後にもう一度頭を下げ、食堂を後にした。
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河鳴(プロフ) - ヤシさん» これからもちょくちょくトトロ衆として出てくる予定w (2015年6月1日 20時) (レス) id: 26f58208c6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシ - 河鳴さん» めちゃくちゃしっくりきたことが笑えたwww確かに大きさピッタリだよねwww (2015年6月1日 20時) (レス) id: e3e927854f (このIDを非表示/違反報告)
河鳴(プロフ) - ヤシさん» ほら、孫兵くん疲れてるからそっとしておいてあげて…wあの3人思い浮かべた時に出てくるのがトトロだったwwwトトロも3年生も可愛いからね、うん (2015年5月31日 19時) (レス) id: 26f58208c6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシ - 河鳴さん» 思ったけど孫兵めっちゃ爆睡してるねwwwあとトトロで迷子組を表現するとかw上手すぎwwその上大中小ってwww (2015年5月31日 19時) (レス) id: e3e927854f (このIDを非表示/違反報告)
河鳴(プロフ) - 春神さん» わああぁ!ありがとうございます!3年生いいよね3年生。出番が多いのはただの贔屓です。上級生は好きだけど、ちょっと悲しんでるくらいがちょうどいいよね。これから忙しくなるけど、なるべく更新頑張ります! (2015年5月29日 22時) (レス) id: 26f58208c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:河鳴 | 作成日時:2015年5月22日 22時