【忍たま】柑橘狂はトリップしても無敵Part2

62話:急いで行こう ページ18

「シナ先生、着替えてきました」

医務室に入り、手拭いを絞るシナ先生に声をかける。

「うん、ちゃんと着れてるわね」

Aちゃん覚えがいいのねーとニコニコ笑うシナ先生に、照れくさくなって視線を逸らした。

「じゃあご飯持ってくるからちょっと待っててね」

「あっ、まってください」

部屋を出ようとするシナ先生を咄嗟に呼び止めた。

「なあに？」

優しい笑顔で尋ねるシナ先生に、私も…と言葉を続ける。


「私も、食堂のおばちゃんに会って謝っておきたくて」

「謝る？」

「はい、正当な理由があろうと、手伝いを出来ないのは悪いですから。
一言でも謝っておかないと気がすみません。

孫兵くんを置いていくのは心許ないですが、多分起きるの夜でしょうし、少しだけなら良いかな、と」

「んー…そうねえ……」

「お願いします、すぐ戻りますので」


どうしても行きたくてシナ先生に懇願すると、シナ先生は少し悩んだ後わかったわ、と頷いた。

「でも、万が一起きたらいけないし他の人が来ても困るから、早く行きましょう」

「ありがとうございますっ」

バッと頭を下げ、声を抑えつつお礼を言う。


そして未だ眠る孫兵くんを一瞥し、食堂に向かうべく廊下に出た。

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