【忍たま】柑橘狂はトリップしても無敵Part2

60話:誤解です ページ16

「孫兵くんちょっとごめんよー」


すやすやと気持ち良さそうに眠る孫兵くんの布団をめくり、寝巻きの前を開ける。

固く絞った手拭いで身体を拭き、着ていた寝巻きを慎重に脱がせた。

そして新しい寝巻きを下に敷いて、袖を通す。

「よっ、と…」


やっぱり力を入れると腕が痛むなあ。
ていうかこれ、はたから見たら襲ってるみたい。

孫兵くんに覆い被さってそんな事を考えたが、まあ、そんなに人は来ないし大丈夫、と気を緩めた。


その時、入り口のふすまが開いた。



…………………えっ




「………Aちゃん、何してるの…？」




「………誤解です、シナ先生」






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「なるほど、そうだったのね。
やだわ、びっくりしちゃった」

カラコロと笑いながら言うシナ先生に、まだ跳ねる鼓動を抑え込んで笑い返した。

「ところで、朝はすいませんでした」

ずっとこの話を続けるのが嫌で、頭を下げながら言う。

シナ先生はその様子に少し驚くと、良いのよ、と身体を上げさせた。

「貴女は孫兵くんが心配だからしたのでしょう？
なら、それを謝る必要は無いわ。
むしろ褒めて褒めて褒めまくるくらいね」

シナ先生の綺麗な手で頭を優しく撫でられて、顔が熱くなる。

恥ずかしさで何も言えないでいると、シナ先生があ、と声をあげた。

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