42,「元凶」 ページ42
精一杯彼の名前を大きく叫べば、魘魅の動きが一瞬、止まった。
すると、その瞬間。
______ドッ、
魘魅の体に、銀時君の木刀が刺さっていた。
『銀時、く……』
私は二人にゆっくりと近寄っていく。
魘魅は、刺された体をゆっくりと後退させて…後ろの階段に身を預けた。
魘魅「ッ見、事だ……」
銀時「テメェには死んだフリくれェしねーとな」
どうやら銀時は死んだフリをしていたらしい。はぁ、驚かせやがって……。
魘魅「A、も…礼を言うぜ」
『!?どうして私の名前を…』
____知っている?
そう、続けて聞こうとすると。
魘魅が、顔に巻き付けていた包帯を取った。
露わになった、魘魅の素顔。
その素顔は____悠然と微笑んで。
『…は、』
魘魅「驚いたか?俺は、魘魅の正体は、」
「五年後の、坂田銀時だよ」
銀時君、そっくりだった。
いや…そっくり、というか…銀時君、そのもの?
けれど銀時君は白詛におかされていた。銀髪の輝きは無く、真っ白で。
『どういう事だい?銀時君が…江戸に白詛をバラまいた………魘魅…?』
困惑する。だって銀時君がそんな事をする筈ないし、私が殺されたって言うのも辻褄が合わなくなる。どういう事だ?
魘魅「全ての始まりは攘夷戦争…俺が魘魅の長を倒した時からだ」
『……?は、どういうこ____』
魘魅「この…坂田銀時の体にはあの時からウイルスが息づいている」
え?
ウイ、ルス……?
白詛の、苗ってことか……?
『でも銀時君は…攘夷戦争時…長を倒した筈、』
魘魅「違う、あの時倒したのはただの入れ物だ」
魘魅は……長の本体はナノマシンウイルスそのものだと言う。
『つまり倒された様に見せかけて、銀時君の体の中で魘魅は生きていた…ってこと?』
魘魅「あぁ、」
銀時君は何も言えない様子。ただ、自分の手を見つめている。
魘魅「俺の体内でコアを生成し進化したウイルスは…この体から世界中にバラまかれた。気付いたときには、何もかも遅かったんだ」
……信じ、られなかった。だってそんなの、銀時君が一番辛いじゃないか。
「侵食されつつある自我をかろうじて保ち時間泥棒を爺さんに依頼した。そして奴ごと腹を斬った…が、その時点で俺の体はもう俺のものじゃなくなっていた」
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夢花(プロフ) - 実珠さん» naluhodone☆wakaruwa☆ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» そうなのよ……銀魂男子は絶対そういうの大切にすると思うのよ…… (2021年5月9日 20時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - てか、夢主ちゃん死してなお愛されてるのね…ぐへへへへ←は? (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 実珠さん» おk!暇やったら見るわ!呪術廻◯戦といい銀魂といい…ネトフリでみなきゃいけないのが増えてきたぜ☆嬉しいけどね☆ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» あ、でも夢主が真選組だからちょっと意味分かんないかも。これもネトフリでやっとるで。銀魂完結編、って調べれば出てくると思う (2021年5月9日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年1月6日 14時