11,「五年」 ページ11
「『……。』」
______ザッ、ザッ、ザ、
そして息を殺していると、足音は私達の墓の目の前で…止まった。私達の縁者だろうか?
そう思ってチラ、と横目で覗くと______
「おやおや…銀時の供え物が無くなってらァ」
『?!』
そこには、お登勢さんがいた。
だが、いつも私達が見ているお登勢さんとは少し違って……
お登勢「銀時みたいなバチ当たりが、まだこの世にも居たんだねェ」
何だろう………え老けた??一房…いやニ房くらい?白髪が増えているし。
お登勢「銀時、アンタも私の旦那の供え物を盗み食いしてたっけねェ…まさか同じ目に遭うとは。けどAの墓はそのまま…やっぱ因果応報ってヤツだね」
私達の戸惑いなぞ意にも介さず、言葉を続けながら私達の墓に手を合わせるお登勢さん。
お登勢「早いモンで…銀時がいなくなって、Aが死んで五年。この街もアンタらが居た頃とはすっかり変わっちまったよ」
『…………ぇ?』
思わず大きな声を出しそうになって、すぐ様手で口を塞いだ。やはり私たちは死んだ事になっているのか。
それに私達が死んで五年って……じゃあ此処は未来の江戸だとでも言うの?というかそれ以前に私達が死んだってどういう、
______トントン、
『!』
思考を巡らせていると、銀時君に肩を静かに叩かれた。
『?』
銀時「……、」
銀時君は、いつの間にか起きた映画泥棒を押さえつけながら前方を指し示している。
前方、っていうか墓地の周りにある森林の…更にその向こう?
『?』
促されるままそちらを見ると。
『……ッ?!』
思わず、目を見開いた。
_____森林の向こうには、私達の街…江戸が。
ただし、その江戸もただの江戸じゃない。瓦礫と化した家々に一部が崩れたターミナル…
____ボロボロに壊れ、廃材の山と化していた。
お登勢「アンタらがいる世界が地獄なのか私らのいる世界が地獄なのか…今じゃ分かりゃしないよ。今のこの街を見たらアンタら一体なんて言うだろうね」
唖然とする私達。
だがそれも露知らずお登勢さんは言葉を続けた。
お登勢「それでも皆生きてるよ、アンタらの死を受け止めて。それぞれがそれぞれの道を歩んでる…だからアンタらも……そっちで元気にやりな」
ー
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夢花(プロフ) - 実珠さん» naluhodone☆wakaruwa☆ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» そうなのよ……銀魂男子は絶対そういうの大切にすると思うのよ…… (2021年5月9日 20時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - てか、夢主ちゃん死してなお愛されてるのね…ぐへへへへ←は? (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 実珠さん» おk!暇やったら見るわ!呪術廻◯戦といい銀魂といい…ネトフリでみなきゃいけないのが増えてきたぜ☆嬉しいけどね☆ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» あ、でも夢主が真選組だからちょっと意味分かんないかも。これもネトフリでやっとるで。銀魂完結編、って調べれば出てくると思う (2021年5月9日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年1月6日 14時